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「金の使いどころ」~子どものどこに金を使うか=目安は学校にある

 学校に払うお金について保護者の中に不満がくすぶっている場合がけっこうあります。金のことを口にするのははばかられるのかこうした話題が学校に届くのは稀です。しかしそれだけに私たちの方が常に気にしていなければなりません。
 保護者の側で基本的な不満がくすぶっている場合、一朝なにかが起こるとその分も上乗せされかねないからです。

 学校が求めるお金は、毎月支払いを求める学年費・給食費旅行貯金のほかに、入学時にまとめて出してもらっている制服やかばんの代金などがあります。しかしそれ以外にスキー教室があればスキー・ウェア、旅行があれば旅行かばん、部活に入っていればそれぞれの用具・ウェアなどけっこうな金額になります。長引く不況を考えると、楽ではない家庭もあるはずです。

 しかしだからといって、保護者の負担が大きいからスキー教室はやめましょう、修学旅行もやめましょうという話にはなりません。なぜなら私たちはそうした行事の教育的効果に確信を持っているからです。

 基本的に学校が提示するのは子どもの成長にとって必要なものばかりです。それが子どもの成長にぜひ必要だと思うから私たちも苦労して計画を立て、下見をしたりしています。そうした意義についても、学校はいちいち説明しなければならない時期が来ているのだろうと私は思います。

 旅行行事などの説明会でも行程や持ち物を知らせる前に、なぜそれが必要なのか、それによってどういう教育効果があるのか、そういうことを明らかにする必要があります。それは遊びやお楽しみではなく、かけがえのないものなのだと訴えるのです。そしてその行事の重要性が伝われば、親は必ず喜んで大金をはたいてくれます。そして同じ流れで家庭教育も変わっていくはずです。

 私は基本的に学校教育というものを信じていて、「学校の提案するものは素直に受けていればいいじゃないか」という思いがあります。学校がスキー教室をやるのはこの地域で生きる子どもにはスキーができることが必要だと考えるからです。中学校の修学旅行で京都・奈良に行くのは、日本人だったら一度はここを訪れるべきだという確信があるからなのです。

 だとしたら親としても、どうせ土日を遊ばせるならスキー場に連れて行き、あるいは長期旅行に出かけるなら京都・奈良を選んでおけばまず間違いない、ハズレはない、そうは考えられないでしょうか?

 学校で博物館に行ったと聞いたらじゃあウチでも連れて行こうとか、演劇教室があったと聞いたらじゃあ家族でもとか、そんなふうにはならないでしょうか? それこそ金の使いどころです。

 各家庭で、独自の養育プログラムを考えるなどということは、容易ではありません。プログラムは学校任せで中身は親が繰り返す、これでかなりうまくいきそうな気がするのですがいかがでしょう。

 もちろん学校が良い顔をしないゲーム機だとかケータイだとかは絶対に買いません。