カイト・カフェ

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「倶生神(くしょうじん)様の話」~人の肩に乗る神様

 このところ1年生の教室に行くことが続いたので、倶生神様の話をしてきました。
 倶生神様というのは人が生まれたときからその肩に乗っかっている一対の神様のことです。

 左の肩の男神はその人の善行を余すところなく記録し、右の女神は悪行をつぶさに記録に残します。そして閻魔大王の裁きの日、すべてを報告するのです。

 人が誰も見ていないところでその人の行いのすべてを観察している存在がある、ということを子どもたちは早く知らなくてはなりません。大人はそれを“良心”と呼びますが、それがないと弱い人間は自分を支えきることができないからです。小さな子どもに“良心”と言ってもピンときませんから、それで“倶生神”の話ができたのでしょう。

 善いことをしても、それを自慢したりすると女神が悪行として記録してしまいます。同様に悪いことをしたとき、進んで告白すれば男神が善行として残します。
 だから、善いことをしたときには誰にも言ってはいけないし、悪いことをしたら、できるだけ早く白状し、罪を償わなくてはなりません。
 その話もしてきました。
(実はこの部分は私の創作です)

「善いことをしたときは人に言っちゃうとダメなんだよ」は、先輩の先生が教えて下さった魔法の言葉で、これがないと、子どもは陰でがんばり続けることをやめてしまうのだそうです。