カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「子どもの意志を尊重するという無責任」~ほんとうにその子は学校に行かなくてもいいのか

 それが例えば、誕生日のプレゼントのプラモデルを、ガンダムにするかエヴァンゲリオンにするかとかいった、どちらに転んでも大差ない場合ならともかく、学校に行くか行かないか、家族と離れて親戚と暮らすとか家族とともに過ごすかといった人生の重大な問題を、「子どもの意志を尊重する」といった軽い一言で決めてもいいものでしょうか?

 決めるということは責任を取るということで、どんなに後悔しても一度エヴァンゲリオンを選んでしまったら当分の間ガンダムは手に入りません。それでもプラモなら大したことはありませんが、学校に行かないという選択をしてしまったら後の人生はまったく違ったものになってしまうのです。その選択をたかが12歳程度の子どもに任せ、責任を取らせるとしたら、それはあまりにも残酷な仕打ちと言うしかないでしょう。
 しかしそんなことを平気でさせる親が、ここ10年余りの間に急速に増えています。とても信じられないことです。

 私は親として、子どもの「野菜なんか食べたくない」「魚は食べない」といった意志さえ尊重すべきだと思わないのです。服装ひとつにしたって、子どもの好き勝手にしていいとは思いません。それらはすべて、その子の将来に関わってくるからです。

 この人たちは将来、子が「ボクは一生働かないことに決めた」「お母さんに養ってもらうことにしたよ」と言い出しても「その子の意志を尊重」してその通りにしてやるだけの覚悟があるのでしょうか? 

 人生の大きな問題で、安易に子どもの意志を尊重してはいけない。子どもに決定させるということは責任を負わせるということであって、せめて小中学生の間くらいは、親が十部に時間をかけてともに考え、道を示し、そうすることで責任の一端を担ってやるべきだと思うのですがいかがでしょう。

 こういった話は問題が発生している最中には言いにくいものです。機会があったら前もって話しておくといいのかもしれません。