変体少女文字の研究


 昨日の授業について、授業内容はともかく、一部に姿勢の悪い児童がいて気になりました。そういう子が多かったというのではなく、少ないがとても悪い、という印象です。

 20年ほど前「変体少女文字の研究」本が出版されて話題になりました。「変体」(変態ではありません)というのは正字体ではないという意味、少女文字というのは平安時代に「ひらがな」を「をんな文字」と呼んだのに倣ったもので、いわゆる変体少女文字というのはいわゆる「丸文字」のことです。著者の山根一眞はさまざまな仮説を立てて「丸文字」の起源を調べるのですが、推理小説を読むような面白さで、一気に読了したのを覚えています。

 その仮説のひとつが「シャープペンシル・ボールペン元凶説」で、この新しい筆記用具が子どもの世界に入り込んでから、丸文字が発生したと考えます。

 この二つの筆記具は軸を垂直に立てないと書けないという共通の性質を持っています。やってみるとわかるのですが、そうなると指先が固定してしまい、手首で字を書くようになるので文字は必然的に丸くなります(筆も垂直に立てますが、そもそも書く字の大きさが違います)。また、シャープペンやボールペンは軸を垂直に立てなければ書けないということは、子どもたちの姿勢を考える上でも重要です。なぜならペンを垂直に立てるとペン先が見えなくなってしまい、自分の書く字が分からなくなってしまからです。そこで子どもたちがやり始めるのは、書いている文字を横から覗き込む、紙の方を斜めにして見えるようにする、という二つの方法です。

 授業中の姿勢の悪い子を見ていると、鉛筆が垂直を通り越して、斜め向こうに傾いている子がたくさんいます。これでは姿勢が良くなるはずがありません。こういう子には鉛筆を万年筆のようにこちら側に寝せ、ペン先を上から見るようにしてやればいいのです。時間はかかりますが、直る子は直ります(たとえば、私)。

 けれど本当は小学校に上がる前からやってあげればいいことですよね。いずれにしろ、シャープペンシルやボールペンを使っていてはできないことです。