カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「教えないことはできない、教えてもできない」~『~しない』は『~する』に比べて非常に難しい

 金曜日はたくさんの先生方がいない中、ありがとうございました。二日間のキャンプで私もリフレッシュ・・・とはなりませんでしたが、なかなか面白い体験をさせていただきました。

 例えば5年生の男の子は、きちんと説明しておかなければ布団カバーとシーツの区別がつかないなんてことは、経験してみるまで思いつかないことです。8人部屋で10枚目の布団を敷いているA君。
 飯盒炊爨で一度焦げつかせそうになったカレーの具を、性懲りもせずまた焦げつかせてしまうB君。中でも興味深かったのは、欲望を抑えることにまったく無力なC君です。

 一緒に(ファイヤーストーム点火行事の)火の神のお付きをしてもらったのですが、開始までの時間、じっと陰で待っていることがまったくできない。自由時間でこちらに近づいてくる友だちに見つけてもらいたくて仕方がない。
 見つかりそうな場所までのこのこと出ていくので友だちから叱られるのですが、「あ、ミッケとか言われちゃった」といいながら逃げてきて、また出かけていきます。あまり頻繁に出て行くので私が強く叱るとしばらくじっとしていましたが、やがてそれも我慢できなくなり、あろうことか思わず首から提げていたボイッスルを吹いてしまう。そんなことすれば叱られると分かっているのにやってしまう。
 飯盒炊爨の片付けでも、新聞紙を火に入れるなと言っている目の前で束を投げ込んで叱られてしまう。「中に入れろと言われたと思いました」・・・そんなワキャねぇ~ダロ!! 今、目の前で叱っている最中だろ!!

 それで思い出したのは、先日の家庭教育学級の篠村先生が(赤色で書かれた「あお」を「赤」と読ませるようなストループテストの話の最中)、チラッと話された別のテストのことです。
 それは「赤ランプがついたらスイッチを押す」「緑ランプがついたら押さない」という課題です。このテストでは「緑ランプがついたら押さない」の方にたいへん大きな個人差があることが報告されれています。つまり「~しない」は、「~する」に比べて、非常に難しい、単純に、止めることが難しいのです。

 こうしたお子さんに必要なのは百万語のお説教よりも、もしかしたら「はじめ!」「やめ!」「やめ!」「はじめ!」といった機能訓練なのかもしれません。