カイト・カフェ

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「大型連休中のコロナ自粛、その様相が分からない」~真に自由主義らしい自由主義社会の自粛①

 田舎の老人にとって、コロナ自粛は難しくない。
 そもそもが退職以来ずっと自粛を続けてきたようなものだ。
 ひとりでできることもある。
 しかし都会の年寄りたちはどんなふうに日々を過ごしているのだろう?
 そしてその他の人たちは――。
という話。

f:id:kite-cafe:20210506064639j:plain(写真:フォトAC)

【コロナ禍の大型連休の田舎の暮らし】

 今年の大型連休も子どもたちが帰省してくることもなし、私たちが出かけることもなし、2年続きで何もない毎日でした。
 もっとも田舎暮らしでその上1a(アール:10m×10m)ほどの畑持ちですから、キュウリやピーパンの苗を植えたりホウレンソウの種を蒔いたりと、そこそこ忙しい毎日でした。売るためではなく自家用だったり知人にあげたりするものですから、種類は多く、量の少ない農業です。今あげたもののほかには、ダイコン・小松菜・モロッコインゲンの種を蒔き、トマト・ミニトマト・ナス・モロヘイヤ・オオバ・ブロッコリの苗を植えました。
 ジャガイモやネギはひと月ほど前に植え、オクラやサツマイモ・落花生などはしばらく先になります。絹鞘インゲンとタマネギについては、昨年秋に種を蒔いたものが今ちょうど収穫期になりつつあります。

 私の畑は、現在の家を購入した際、隣接する三角形の、どうにも売りにくい土地を地主に頼まれて購入した自前の土地ですが、近隣には休耕田や畑がいくらでもあって、近所の暇人年金生活者たちが無理せずに耕作できる程度を借り受け、耕作しています。作るものも大体似たり寄ったりです。
 田舎には高齢者の勤務する場も遊び場も、スポーツジムもあまりありませんが、畑だけは潤沢にあるので、生れてはじめての百姓を定年退職から始める人も少なくないのです。
 恵まれていますね。
 ところで都会のど真ん中の高齢者たちは、どんなふうにコロナ禍の大型連休を過ごしたのでしょう?

 

【都会の年寄りは何をしているのだ?】

 都会に住む娘のシーナに聞くと、
「うん。とりあえず歩いている人はたくさんいる。それからスポーツジム。
 カラオケや囲碁に通っている人もいるけど、案外多いのが麻雀。そして昼間から飲んでいる人もいる」
と、自らは高齢者ではないのであまりよくわからないようです。

 しかし散歩はまだしも、囲碁も麻雀も一人でできるものではありません。スポーツジムにも人はいるし、「昼間から飲む」となると店ではどうしても密になったり大声を出したりしがちです。もちろん自宅で一人酒なら問題ありませんしカラオケも一人で歌っている分にはかまわないのですが、何日も何カ月も「一人酒」「一人歌」というわけにはいかないでしょう。
 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって、夜のお酒が制限されたりまったくできなかったりとなると、昼間に人が集まるのは必定です。しかしだからといって昼酒場・昼カラオケでクラスタが広がったという話も、最近はあまり聞きません。
 もしかしたらほんとうに皆、ひたすら室内で頑張っているのかもしれません。
 たいへんですよね。

 

【大型連休中のコロナ自粛の様相がわからない】

 そんな話を始めたのは、ニュースで知らされるこの大型連休の、人々の様子がさっぱり分からないからです。

 この間、
「渋谷スクランブル交差点や道頓堀の人出が、2回目の緊急事態宣言の時よりは少ないものの、1回目に比べるととんでもなく多い」
とか、
「各観光地はにぎわっている」
とか、
「海にはサーフィンに興ずる若者やバーベキューを楽しむ若者が溢れている」
といったニュースが繰り返される一方で、特に近畿圏の医療は崩壊状態を越えて壊滅的だといった話が繰り返されていました。
 人々の公徳心と医療が、同時に破綻しかねない雰囲気だったのです。

 ところが昨日のニュースでは(大型連休最終日の)、
「鉄道や空の便、高速道路の各交通機関では、コロナ禍の前のような大きな混雑はなく、人出は低調だった」
とか、
「JR各社によると、5日の各新幹線は空席が目立った。東海道新幹線では午前9時すぎに新大阪を出たのぞみ4号が30%。東北や上越北陸新幹線の上りには5%と低調な列車もあった」
とか、
「4月23日に発表された航空各社の予約状況によると、5日は全日空の上り便の予約率が74.0%、日航が73.9%と満席にはなっていない」
(引用はいずれも、2021.05.05 KYODO
とか。
 世の中、実際にはどうなっているのでしょう?

(この稿、続く)