カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「ガソリン車はなくならない」〜自動運転と電気自動車の未来

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(イメージはPhotoAC)

 公園の臨時駐車場の車止めが見えず、左折で入ろうとして左後部座席のドアとその後ろをこすってしまいました。ざっと見て10万円ほどの傷かと・・・。
 まだ数年は使うつもりの車なので昨日、修理工場に持って行きました。

 私は慎重な性質なので事故というのはほとんどなかったのですが、ここ5年ほどの間に3回も、車に傷をつけて修理をしています。
 私自身は、少し自分には不相応な大きな車を動かしているからだと言い訳しますが、妻は“加齢のせいよ”とひと蹴りです。
 どちらにしても被害そのものより、昔は起こさなかったミスを繰り返すようになったことに傷つきます。記憶力も衰えているので一晩で立ち直れますが・・・。


 ただ、いずれ現在使っている車は手放すとして、次はいつごろ、どんな車を買ったらよいのか――認知症による交通事故が何件も起きている昨今、もしかしたら「自動走行車限定免許」みたいなのができて、それを使わなければならなくなるとしたら、今から計画的に買い替えて行かないと、妙なタイミングで購入せざるを得なくなる場合もあります。
 そこで修理工場の専務(と言っても40歳前後くらいの若者――私にとっては)に、雑談半分で話を聞きました。

【自動運転の未来】

  すると専務は、
「あ、いや、レベル5の自動運転車って、本当にできるのかな?」

 レベル5の自動運転というのは、高速道であろうと一般道であると、関係なしに目的地まで人間を運んでくれる完全自動運転のことです。設定さえしておけば眠っていても目的地に着ける――。
 その前段階のレベル4は高速道路など特定の場所でコンピュータがすべてを行ってくれるもの。レベル3は「緊急時にはドライバーが操作する」ことを前提に、高速道路などでコンピュータが運転を行うものです。
 さらにその前のレベル2は「コンピュータがステアリング操作、加減速のどちらもサポートするもの」ということで、現在国内で販売されている多くの新車に搭載されているシステムがそれです。私の車もそうです。

「今は法律上の問題がクリアできないだけで、3、4のレベルまではつくれるんですよ。ところがレベル5は難しい、とんでもなく難しい。
  ホラ、この間アメリカで事故があったでしょ。あれで日本のメーカーは公道試験から一斉に手を引いてしまって、もちろん試験場では試験走行をやっているんですが、試験場はシカとかが飛び出してきませんしねえ・・・」

 私としてはレベル3でも十分で、設定さえすれば眠っていても目的地に行ける車なんてむしろ最低です。
 レベル5が難しいならそれでけっこう。でも一般道でもステアリングと加減速のサポート――つまり車線を大きくはみ出さず、追突しない、渋滞時には適切に前の車に追従していく、くらいの機能があれば満足で、おそらくこれだと5年以内にはできそうです(ただし法律問題は見通せません)

【電気自動車の未来】

 そこで話題を変えて、
「電気自動車はどうです?」
と訊ねると、
「あれも、どうかな~」
とかなり懐疑的です。

「だって電池って湿度と寒暖差がダメじゃないですか。となると沖縄や九州、北陸・東海・甲信越・東北の一部、北海道、そのあたりは全部ダメってこと、ありそうですよね。
 冬なんて寒い地域では、夜中に充電している最中も自然放電し続けている。そしていざ走ろうとしたらまず蓄電池の電気を使って車内を暖めなくちゃいけない。走っている間も電力が暖房に使われ続けて、それでいったい何㎞走れるのか」
 なるほどな、と思いました。

「でも、電池もこれから向上しいてくんでしょ?」
「いや~、それがすね、ホラ、『リッチに貸そうかな』ってやったでしょ?」
「『まあ、あてにすんな、ひどすぎる、借金!』」
「そう。あれだとリチウムよりイオン化傾向の高い金属ってないんですよね。つまりリチウムイオン以上の電池はない。
 なんかリチウムイオンの6倍も容量のあるリチウム空気電池ってのも研究されてるらしいんですけど、どこまで現実的なものか。結局電気自動車には限界があるから、このままガソリンエンジンはなくならないんじゃないかと思うんですよね。それか燃料電池だ」
「どちらにしても日本のお家芸だよね」

「エンジンというのはものすごい技術と経験が蓄積された装置で、日本製のエンジンを分解して型を取っても絶対に同じにならない。目に見えない技術の型を取ることはできないんです」
「すごいね。未来は明るいね」
「明るいかどうかは分からないけど、暗くはない」
「こちら(の工場)も、ますます儲かるってわけだ」
「ますますはもうからんと思います」
「いや儲かるって! 私の車の修理代なんてもらわなくてもいいくらいだ」
「....いや、ガッツリいただきます」

――マ、そんなもんでしょうけどね。