カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「項目が多い方が覚えやすいこともある」~夜の職員室で教材研究に取り組むひとから教えられたこと

 夜の職員室で机に向かい、中澤先生がウンウン唸っています。

 何をしているのかと覗いてみたら、日本地図に番号を入れ、県名を答える問題をつくっているのです。面白いのは、県名とセットで特産物や有名なものを覚えなければならないというなかなか凝ったものです。感心しました。

 一般に、項目が増えれば増えるほど、覚えることは難しくなるように思われていますが、そうではありません。数を増やしたほうが覚え易い場合があるのです。
 例えば、鈴木一郎という名は平凡で何のイメージもわきませんが、「バッター、1番、ライト、鈴木一郎」と4項目揃えると、イメージが鮮やかに浮かんできます。この人は野球選手で、バッターとして有名です。少し野球に詳しい人だったら、俊足で、肩が良いはずだとそんなことも思いつきます。

 同じように、「山梨・ぶどう・富士山」と並べると、それは富士の近くの山がちで、たぶん平野や大河のない県です。ぶどうという言葉から「山がち」等々をイメージするのは困難ですが、写真と一緒にすれば簡単でしょう。

 「山口・関門海峡・平家蟹」と並べれば、海を有する県で、県端は海を隔てて大きな島に繋がっていること、蟹が有名になるくらいだから他のものおいしいだろうな、といったイメージがわきます。それに平家を記憶しておくことは、将来の学習の伏線にもなります。

 中澤先生、なかなかやるな、と思った瞬間でした。