カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「頑張らせよう!」~たぶん大半の子は凡人だから

 ミュンヘン・オリンピック金メダリスト、男子バレーボールの島岡健治選手(新日鉄)に会ったことがあります。世の中に高身長の人はけっこういますから島岡の背の高さには驚きませんでしたが、手の大きさにはびっくりさせられました。身長差は20cmほどなのに、手は私の倍ほどの大きさだったのです。あれでバレーボールを握っても、私がハンドボールを握る程度にしか見えないはずです。

 ソウルオリンピック競泳100m背泳ぎの金メダリスト鈴木大地は、手の指の間に水かきがありました。バルセロナオリンピックの競泳女子200m平泳ぎ、若干14歳の金メダリスト岩崎恭子は、小学校4年生のときの全校マラソンで5・6年生の先輩を差し置いて1位になったことがあるそうです。

 それはそうでしょう。「運動神経と体格に恵まれた努力家」なんて世界中に掃いて捨てるほどいます(1万人に一人の逸材が60万人もいるのが世界です)。それ以外の要素がなければ頂点には立てません。

 「ハリー・ポッター」シリーズのJ・K・ローリングは、おそらくストーリーのアイデアに苦労したことはありません。彼女が毎年苦労していたのは、あふれて留まらないアイデアの整合性をどうつけるか、だけです(それはまず間違いありません)。発明家のトーマス・エジソンは「天才とは99%の努力と1%のインスピレーションである」という有名な言葉を残しましたが、これは「一流の人間なら努力なんて誰でもする。天才の天才たる所以は1%のインスピレーションであって、それがなければ少なくとも天才ではない」という意味です。

 超のつくほどの一流の人たちは、単なる努力家以上の何かを持った人たちです。私達凡人とは決定的に何かが違います。しかしその前の段階、天分が問われる直前までは、誰でも近づけるはずです。

 子どもたち、頑張らせましょう!