【土曜日の朝、午前三時半】
先週土曜日の話です。
いつもは4時半の目覚ましが鳴る直前にスッキリと起きるのですが、同じ爽やかさで目覚めてトイレ行って戻ったら、まだ3時半でした。とてもではありませんが二度寝もできそうになかったのでテレビをつけたら、なんとワールドカップのスペイン・ポルトガル戦の真っ最中だったのです。のちに「稀に見る激闘」と言われる試合を、偶然見ることができたのは幸運でした。実際、素人目にも見ごたえのある試合だったからです。
そして思ったのは、
「ダメだ、日本、絶対に勝てねえ」
ということでした。
あんな凄い動きは、日本代表にしろJリーグにしろ、見たことがありません。あんな連中と対戦したら即、日本チームはフィールドのなぶり者だ――そう思ったのが先週の土曜日の朝です。
失礼しました。勝ちました。
一昨日、特に最初の3分で大迫と香川(そして乾か?)が敵ゴールにまっすぐ向かっていく姿はメチャクチャかっこう良かった――。あんな攻撃が繰り返しできれば、ワールドカップ優勝も夢ではない、そこまで思いました。
しかし“あんな攻撃が繰り返し”できるわけはないでしょう。
【基礎的な運動能力に差がありすぎる】
いつも思うのですが、結局スポーツというのは不公平をベースに行うものです。どんなに頑張ったところで身長1m70cmがバレーボールでエースアタッカーになることはありません。
逆に身長が2m30cmくらいあって普通に走れる人なら、バスケットボールではあっという間に選手です。身長3mだったら立っているだけで仕事になります(そんな人はいないと思いますが)。
無作為に日本国内から1万人、ジャマイカ国内から1万人抜き出して、足の速い方から4人ずつでリレーをしたら基本的に日本は勝てない、たぶんそうです。
サッカーに話を戻して、昨日のニュースでは「日本対コロンビア」とともに「ポーランド対セネガル」の試合も繰り返し流されていましたが、足の速さだけ考えるとセネガルには絶対にかないません。勝てる気がしない。
もちろん足が速ければゴールが奪えるというわけでもありませんから勝機はいくらでもありそうですが、基礎的な運動能力だけを見ればやっぱりアフリカ系にはかなわないのです。最初からハンディある、というのが私の思いです。
そう思って改めて各国を見ると、有力チームの中には明らかにアフリカ系の多いところがあります。例えばイングランドやフランス。
もちろんそれぞれイングランド人だったりフランス人だったりするわけですから文句はないのですが、オリンピックでもイギリスやフランスは日本よりはるかに多くのメダルを獲得していてメダリストの顔ぶれをみると相当な数のアフリカ系がいることを考えると、首を傾げたくなります。
卑怯じゃないかという話ではありません。日本はなぜそうならなかったのか、ということです。
【ハーフ・タレントはいてもハーフ・アスリートはいなかった】
最近でこそサニブラウンやケンブリッジ飛鳥のようにアフリカや中南米の血を引く選手によって陸上競技が活気づき、テニスでは日本語がうまく話せない日本人、大阪なおみが活躍していますが、これまでアフリカ系あるいは中南米系のアスリートが活躍したという話はほとんど聞かなかったような気がするのです(表現として正しいのはハーフかダブルかミックスかという話は別にします)。
芸能界にはかなり昔からハーフ・タレントと呼ばれる人たちがいて、中には草刈正雄さんのように大成功した人もいますが、それでもデビューのきっかけは基本的に“美貌”でした。それだって持って生まれた能力には違いありません。しかし運動能力というのも“美貌”に負けず劣らず、放っておいても簡単に世に出てしまうものではないでしょうか?
小中学校の体育の時間や部活の練習の中で速い人はどうしても速い、高く跳べる人は普通に跳んでも高く跳べると、自然に現れると思うのです。そして注目され期待されるうちに一流の選手に育ってしまう、そんなふうになるのが普通だと思うのに、ほとんど出てこなかった――。
草刈正雄さんと同世代のハーフは多くが米兵と日本人女性の間に生まれた子たちです。だとしたら当然アフリカ系アメリカ人の子というハーフがたくさんいたはずです。
今、サニブラウンやケンブリッジ飛鳥が活躍できるのですから、アフリカ系や中南米系の人々の運動能力は日本人と結婚すると消えてしまう、ということもないでしょう。30〜40年前にもサニブラウンのような優秀な子はいたはずなのに、なぜ出てこなかったのか?
私はふと差別のことを考えたりしますが、芸能界がハーフ・タレントをもてはやしたのですからスポーツ界だって同じでしょう。現在、スポーツに熱心な高校や大学が留学生探しにやっきになっているくらいですから、もっと国内を探してもよかったはずです。
しばらく気にして、あちこち調べてみましょう。
【隠れたる才能よ、出でよ!】
それにしてもかつてはサッカー界もマルクス・闘莉王だとかラモス瑠偉、三都主といった主としてブラジル系の人たちが活躍していたのに、最近はほとんど聞こえてきません。
ブラジルに日系ブラジル人はたくさんいますが、日本に戻ってきた言わば「日系ブラジル人」系日本人だってたくさんいるわけで、ネイマールと同じDNAを(一部)持つスーパースターのタマゴがどこかで燻っているかもしれません。
隠れたる才能よ出でよ!!
そして日本をワールドカップ優勝に導け!!