やって見せ・・・


 「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」

 私たちの世界では繰り返し紹介される山本五十六の言葉です。誉めることの大切さを語ったものだと解釈されていますが、重要なのはむしろ前半です。「やって見せ、言って聞かせて、させてみ」なければ、誉めてやるなどということはできないのです。

「子どもは誉めて育てましょう」というと、若い保護者や教員の中には「誉めるところが見つからないのです」と嘆く方がおられます。しかしただ指をくわえて見つめていても、おいそれと誉めるところは見えてきません。それどころか悪いところばかり目について、誉めるつもりが逆に叱ってしまうことになりかねないのです。

 誉めるためには技がいります。

 それが「やって見せ、言って聞かせて、させてみて」です。

 うんざりするほどしっかり教え、ここまで教えれば赤ん坊だってできるだろうというところまで持っていって、それでできたら「すごいね」「よくできたね」と誉めればいいのです。

「赤ん坊でも」というのはこちらの判断であって、できなかったことができるようになるというのはやはりたいへんなことなのです。