カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「校則について、学校に訊きに行こう」~校則の話① 

 ブラック校則を批判する記事は多いが
 ブラック校則の存在理由そのものを確認する記事は少ない

 なぜ批判者は学校に訊きに行かないのだろう
 私だって答えてあげられるのに

というお話。

f:id:kite-cafe:20190902070429j:plain(ジャン・デルヴィル「プラトンの学校」)

 

【ブラック校則問題にはウンザリしている】

 先週の土曜日にアップした「清掃の時間の、子どもがおしゃべりをする権利を保障しろという愚かな提言について」はその前日のYahoo!Japanニュース「なぜ『無言』で清掃・給食なのか?―『対話』より『無言』を重視する教育のおかしさ」を元に書いた記事です。

 これまでも無言清掃に対する批判はたくさんあったのですが、たいていは「無言でなくても掃除はできる」といった類のもので、「掃除の時間は大切なコミュニケーションの機会だから無言を強要するな」という話は聞いたことがありません。

 あまりにも突飛で新鮮でしたから思わず反応してしまいましたが、基本的に「ブラック校則追放運動」みたいな話には食傷気味で、最近は避けて通るようにしてきたのです。

「なぜ『無言』で清掃~」の一週間前にも、おなじYahooJapanニュースに「その校則、ちゃんと説明できますか? ― なぜ、理不尽な校則は変わらないのか」という記事があって精神的ゲップをしたばかりです。

 こちらの記事を書いた妹尾昌俊という人は教育研究家・学校業務改善アドバイザーだそうですが、同時に第9期の中央教育審議会の委員も務めているようです。中教審文科省の正式な諮問機関ですが、こんな人が委員をやっているのですからうまく行かないわけです。
 
 

【ブラック校則を批判する人たちは、なぜ調べようとしないのか】

 そもそもタイトル、「その校則、ちゃんと説明できますか?」は誰に訊ねているのでしょう。こんなこと、一般人であるYahooの読者に訊いたところで「分かんねえな」となるのが当たり前です。

ラグビーゴールラインを越えてボールを押さえることを『トライ(試す)』というのはなぜか」といった専門的な質問を、素人にぶつけて答えられないと「ボーッと生きてんじゃねぇよ」と叱るようなやり方は、チコちゃんに任せておけばいいのです(先週の放送から)。

 疑問がわいたら普通は調べなくてはいけません。チコちゃんのように専門家に聞きに行けばいいのです。
「ちゃんと説明できますか?」と訊けば、「ちゃんと説明できます」という先生はいくらでもいます。

 ところが妹尾先生は冒頭で、
スカート丈から下着の色の指定、髪の毛を染めさせることまで、なぜ、学校にはわけの分からない校則があるのか、なぜ直そうとしないのか。
と疑問を持ちながら、学校に訊きに行くということをしません。

 代わりに何をするのかというと、文中にあるように、
変な校則は、なぜ生き残っているのか。学校がなかなか変わらない理由をいくつか考えてみた。
と、自分の頭で“考えて”、その結果を元に学校批判を繰り返すのです。
 これでは生産的な議論にならないでしょう。
 なぜ学校に訊きに行かないのか。なぜ教師に訊いてみようとしないのか。
 
 

【学校に行こう!】

 校則のことで疑問がわいたら、まずベテランの教師に訊いてみればいいのです。なんなら私でもいい。たいていのことは答えて差し上げます。

 その答えを聞いたうえで反論なり反応なりをすればいいのであって、妹尾先生のように問いと答えを自己完結してしまうと、先に進めなくなります。

 この国で生まれ育った人の大部分はこの国の学校教育を受けています。義務教育だけでも9年間もいたので学校のことはすっかり分かっているつもりなのかもしれません。
 しかし教師の側から見ないと分からない“学校の姿”というのもあるのです。

 校則についてはこのブログでも私のメインサイトでも再三扱ってきました。しかしこのあたりでもう一度、整理して、明日から記録に留めておこうと思います。

                                                                                                     (この稿、続く)