うつ病の話

 書店に行くと「うつ病」に関する書籍が平積みになっています。それだけ需要が多いということでしょう。私たち教員の世界も例外ではありません。

 平成20年度に学校を病気休職した教職員は8578人(全体の0・94%)で、そのうち63%に当たる5400人を精神疾患が占め、いずれも昭和54年の調査開始以降、過去最高となっています。特に精神疾患を理由とする休職は16年連続の増加です。そしてその精神疾患の大部分がうつ病なのです。

 うつ病統合失調症と並んで二大精神疾患と言われています。私は若いころ、大雑把に言って、うつ病は『なんでも自分のせい』(何でも自分のせいと思いつめる)、統合失調症(そのころは精神分裂症と言った)は妄想や幻覚をともない『なんでも人のせい』(何でも人のせいと考え攻撃的になる)と聞かされたことがありますが、最近はだいぶ様相が異なっているようです。

 それは「新型うつ病」と言われる新しいタイプが増加したからです。

 端的に言ってこれには「うつ状態が職場のみで現れる」「基本的に上司など他人のせいにしたがる傾向がある」「逃避的である」といった特徴があります。従来のうつ病の人は休職に対して抵抗します(私のせいで人に迷惑をかける)が、新型うつ病の人はむしろ進んで受け入れます。

「ゆっくり休んで自分の好きなことをしなさい」というのはうつ病にはありふれたアドバイスですが、新型うつ病の場合はそう言われると平気で海外旅行に出かけてしまったりします。休職中の身であるにもかかわらず。

 職場にいるとうつ状態、何かを言うと人のせいにする、逃避的なくせに遊ぶときは平気で出かける、これではとうてい理解されるものではありません。

 しかしそうしたことを繰り返すことが、結局自分の将来にどういう影響があるか十分予測できながら、結局そうせざるを得ないところが、やはり病気だということでしょう。先日聞いた話では、県内の精神疾患による休職者の5割以上が新型うつ病だろうとのことでした(診断書には「新型」とは書かないので、分類はあくまでも担当者の見立てです)。

 長く教員生活をやっている中で、何人かの病気の先生を見てきました。そのたびに「自分にできることが何かなかったのか」と問い返したりしましたが、実際、病気が進行してからでないと私たちには分からないのです。みんな忙しがっていますから、細かな点まで気配りができないのかもしれません。しかしそれでもなお、私たちは守り合わなければなりませんし、常に気持ちの良い、支えあえる職場づくりに励むしかないのです。

 とりあえず、疲れたら休みましょう。

*今、気がついたらアクセスカウンタが80000を越えました。細々と、しかし3年半ですからね・・・。