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「全国学力学習状況調査」~成績アップの秘訣は意外なところにある

 第3回の全国学力学習状況調査の結果がかえって来ました。少し時間がかかるかもしれませんが、6年の先生方に分析していただき、報告を待ちたいと思います。

 全国的な結果に着いては上位も下位も3年間ほぼ同じ。1位は今年も秋田県です。昨夜の日テレ系テレビ局のニュースでは、秋田の強さの秘密は何でしょうといった趣旨で、一クラスに3人の先生が張り付いているTT(チーム・ティーチング)の様子が映し出されていました。

 私は学力向上、指導力向上の決め手はTTだと強く信じています。

 全国学力テストの平均点は非常に高いところにありますから、点を上げるためには成績上位の子を増やすより、下位の子を減らすことの方がずっと有効だからです(それは例えば、平均点80点のテストで、100点の子が一人欠席しても平均点はさほど下がらないが、0点の子が一人欠席すればグンと上がる、という平均の仕組みを思い浮かべればすぐに分かることです)。

 勉強の分からなさは千差万別ですから、成績下位の子には個別指導が必要ですが、そのためにはクラスに二人以上の先生がいなければなりません。

 また、学級はたったひとりの子どもがパニックになるだけで活動が停止してしまいますから、そのための要員も必要です。一クラスの人数をいくら減らしても、そうした状況に変わりありません。
 TTこそ決め手だと思うのはそうした理由からです。

 さて、ニュースではTT授業の映像とともに、
「正答率が高い生徒には、
『ノートを丁寧に書く』
『毎日、朝食を取っている』
『学校での出来事を家の人と話す』
『携帯電話の使い方について、家の人との約束を守っている』
などの傾向が多く見られた」
という内容もやっていて、コメンテーターの星野仙一さんなどは「私も監督時代には選手に朝食を食べさせました」などとのんきなことを言っています。

 また、小学校の成績が10位以上上がった大阪の府知事は、“やっぱり地教委を脅せばできるじゃないか”と言わんばかりの勝利宣言で「大阪の子どもたち、ありがとう!」などと叫んでいます。

 一方、今朝のNHKニュースでは、
「各地の教育委員会は、学力テストの結果を受けて教材づくりや教員の研修には取り組んでいるものの、教員の数を増やすなど、教育条件の充実にまで対策を進めるのは難しい状況であることがわかりました」
などと言っています。

 学校を叩いて成績を上げようという方向は、当分収まりそうもありません。