本校の女性教諭の中に、子どものころ、幼稚園に行くのを嫌がったばかりに、木に縛りつけられたという伝説を持つ先生がおられます(それですばらしい女性に育った?)。
私は「良い子」でしたのでそのようなことはありませんでしたが、私の弟は「悪い子」でしたので、しょっちゅう家から放り出されたり物置に閉じ込められたりしていました。
ただし弟だけが悪かったのではなく、今考えてみるとそんな家はいくらでもあって、外でキャーギャー泣き喚く声を聞きながら「おやおや、◯◯ちゃん、また追い出されている」「今度は△△ちゃんだ」などと、食卓を囲みながら、のんきに話したものです。
さて、そんな話をすると「だから今の子はダメなんだ」「そういうことをしなくなったから、今の子どもは弱いんだ」といった話になりがちですが、そうではないのかもしれません。親が甘くなったから子どもが弱くなったのではなく、子どもが弱くなったから親が厳しくできなくなったのかもしれないからです。
今の子どもは昔よりずっと弱くなった。怒られたり叱られたり虐待すれすれの指導を受けたときの、子どものダメージが昔とはまったく異なるんもではないか、それが今、私の考えていることです。中途半端ですが、これについては改めてまた、じっくりと考えてみたいと思います。