カイト・カフェ

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「ダーウィンは間違っていたのかもしれない」~パンダから考える人類のあるべき姿

 昨夜家に帰って何とはなしにテレビをつけたら、1年間に17頭のパンダを誕生させた中国の繁殖施設の話をしていました。赤ちゃんパンダばかり17頭の愛くるしい姿に、思わず頬が緩みます。しかし改めて見ると、パンダというのは本当にナゾの動物です。

 山の中では明らかに目立ちすぎる白黒状態。これといって武器もない。笹しか食べないというワガママ食。赤ん坊は体長5㎝ほどのミニサイズで、4ヶ月たっても排泄すら一人ではできない超弱者。これで長く自然界を生きてきたわけですから、不思議という他ありません。ところがこれはパンダに限ったことではなく、今から200万年か400万年ほど昔、同じようにどう考えても弱者なのに、なぜか生き残ってしまった動物がいます。

 その生き物はほとんど未熟児状態で生まれ、丸一年の間歩くことすらできません。全身に毛の生えることは稀で、鋭い爪といった武器も持っていないのです。おそらく世界中の動物の中で最弱の生き物で、弱さ故に安全な森の樹上からも追い出され、猛獣の生息する平地に生きなければなりません。氷河期が訪れたときも他の動物から遅れ、酷寒の土地に定住しなければならない仲間もいました。寒冷地を逃れた者も、二度と食べ物の豊富な森には、住むことが許されませんでした。この生き物、いうまでもなく人間です。

 ではどうして生き残ることができたかというと、それは結局、人間が弱い者を守り続けたからだと考えるしかないのです。今でもタイタニックのような大きな事故の際には、子どもや女性が優先的におろされます。逆に言うと「弱いものを守らない者は人間ではない」。子どもたちには、ぜひとも伝えておきたいことです。