研修会ごくろうさまでした。とても有意義な時間が過ごせました。特に講演会では、めったに聞けない話を聞くことができて、本当によかったと思いました。その講演会の中でいくつも気になることがあったのですが、今朝はニートについて書いておこうと思います。
ニート(NEAT)はイギリス生まれの概念で「Not in Education, Employment or Training(教育を受けているわけでも就労しているわけでも訓練を受けているわけでもない状態)」を示します。日本ではそれが「状態」から「人々」を表す言葉になり「若年無業者」と訳されていましたが、現在では「ニート」とカタカナ書きされるようになっています。
また、「NEAT」と「ニート」は異なる概念だとい説もあり、「NEAT」には「仕事もせずにフラフラしていてこの先何をするか分からない連中」というニュアンスがあるので「NEAT」対策が必然的に非行予防の様相を呈するのに対し、日本の「ニート」は基本的に家の中にいます。
そのニートが推定で64万人もいて、やがて外に出てくるのです。もちろん親の収入で暮らしている人たちが新たな社会の担い手として出てくるのではなく、親の死によって無業のまま最貧民層を築くのです。
彼らの生活を支えるための社会的負担はたいへん大きなものになりますが、教育を担う私たちの立場からすれば、それよりもっと大切なことがあります。それは「ニート」が社会的には生存できていないということです。
教員として出会う可能性のあるさまざまなことがらの中で、これ以上ない最悪の事態はおそらく生徒の自殺です。それに続く悲惨は教え子をニートにしてしまうことだと私は考えます。なぜならそれは「魂の死」だからです。それに比べたら非行や不勉強など、何ほどのこともないのです。