カイト・カフェ

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「UFOと不審者」~どちらも正体がわかれば大したことはないが

 UFOは未確認飛行物体(Unidentified Flying Object)の頭文字を並べたものです。ですからそれが後に風船だと分かるまで、あるいは奇妙な雲だと知れるまで、空中に浮かぶ未確認の物体はすべてUFOです。その意味では私は何度もUFOを見たことがあります。
 ただし、実際には「UFO」は「空飛ぶ円盤」だとか「宇宙人の乗り物」だという意味で使われていて、「UFOを見た」といえば一応は「ホントかよ~」というところから会話が始まります。「ふ~ん。で、それは本当はなんだったの?」ということにはなりません。

「不審者」という言葉はもともとは「疑わしい人」という意味です。それがあとで「本当の市役所職員だった」とか「単に道に迷っているだけの人だった」と知れるまで、その人は「不審者」のままです。ただしあくまでも「何か疑わしい人」というそれだけのことです。その「不審者」が今や本来の意味を失い、「不審者=何をしでかすか分からない人、猟奇的殺人傾向を持った人」と重なろうとしています。

 今週はほとんど毎日何らかの対外的な会議が入っていて、その大部分が、審者対策とS地区の行方不明事件対応です。そうした会での雰囲気は、まさに今、その「猟奇的殺人傾向を持った人」が数名このC市内に入りこもうとしている、といったもので、もはや「冷静な対応を」と言ったりしたものなら白眼視されかねない感じなのです。
 みんなが疑心暗鬼で学校も行政も隣人も信じません。

 S地方の行方不明事件では土曜日に一旦氏名付きでボランティアが捜査を始めたところ、県教委やI教育事務所が入った途端に匿名に変更され、以後長く氏名や特徴が伏せられたままの捜査になってしまいました。
 二三日以内に解決する事件だと考えれば、その子の将来を考え、匿名とするのは当然だと私も思います。しかし一般には、これは県教委と教育事務所による事実隠しだと本気で考えられているのです。学校や行政は、放っておくと何でも隠してしまう、そういった疑いは思いのほか強いのです。

 さて、今夜はわが地区の「子どもの安全を考える会」。13日の月曜日はN地区で同じ会が行われます。
 「猟奇的殺人傾向を持つ人」は、性犯罪の犯行暦を持つ人間をマークすることでかなりコントロールできる時代が必ず来ます。しかし不審者は元の意味が「疑わしい人」ですから、100年たってもそのままです。50年でも100年でも続けられるような方法を考えるとともに、多少私も、口を慎みたいと思っています。