結局私たちが育てたいのは、道端で誰かに声をかけられたり近づいてこられたりしたとき、大声を上げて逃げたり戦ったりできる子ではありません。それらの中にはさまざまな人がいるからです。
こちらが知らないだけで向こうはこちらをよく知っている近所のお爺さん。
自分の町の中を歩いている人がいればそれが誰でも挨拶をすべきだと考えている人(私もそうです)。
道が分からなくて困っている人、何か助けてもらいたい人。
情報与えてくれる人(ダメ! そっちへ行ったら危ないよ!)、
児童の落としたものを拾って渡そうとしてくれている人・・・。
そういう人たちを相手に、大声で叫んで逃げてはいけないのです。
私たちが望むのは、きちんと挨拶のできる子、困っている人を助けて上げられる人、他人の親切を素直に受け取れる人、そして危険に対しては敏感に反応し、必要な措置の取れる子です。
そのためにたくさんの難しいことをする必要はありません。
適切な距離をとって対応すればいいだけのことです。
相手と自分の能力を推し量り、不必要に近づいてくるなら警戒して引き下がります。
こんなに神経質な世の中になってしまい、今のままだと、今後どんな子に育っていくのか本当に心配になることがあります。