始業式、入学式

 いよいよ始業式・入学式です。

 私たちは忙しい中でようやくこの日を迎えます。また新しいクラス、新しい子どもたちと出会うという緊張感もありますから、この日の意味といったことを改めて考えることは、あまりないように思います。ただし子どもたちはたっぷり春休みを楽しんだあとですから、感じ方も違います。

 不登校問題に詳しいカウンセラーの富田冨士也という人によると、子どもが「やり直そう」と思う特別の日が年に5回あると言います。3回の始業式、誕生日、そして邪を払って出直す節分です(私は1月はじめに書かせる「新年の誓い」がそろそろ息切れになるころにやってくる節分がなかなか好きで、豆まきをしながら新年の誓いを立て直す日として使っていました)。

 新入生はもちろんですが、ほかの学年の児童・生徒が、1学期の始業式に「さあ、やり直すぞ」と気分を変えて登校していることに、私たちは案外無頓着だったりします。しかし子どもの中の何人かは、かなり真剣に「生まれ変わってやり直そう」と思っている子がいるのです。

 とはいえ子どもは子どもですから、何度誓いを立ててもそのつど守り通せません。新学期の意欲も、4月の末くらいになるとすっかり衰えてしまい、5月の連休が終わるころには元の木阿弥に戻ってまた怠惰な自分になってしまうということも少なくないのです。そこを支えるのが私たち、ということになります。

 そのためにはまず、4月の最初に子どもたちがどんな決意をもって登校してきているのか知る必要があります。目標が高すぎる子には、多少修正の手を加えなければならないかもしれません。

 そして注意深く衰えの日を待ち、そこで支えてやるのです。なかなかうまくいかないことですが、視点を定めて子どもを見ると、案外見えないものが見えてくることがあります。