カイト・カフェ

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「二週続きの快哉!」~誰が私たちを日本人に育てたのか①

 二人の科学者がノーベル賞を受賞した翌週、
 サッカー日本代表は初めてブラジルに勝ち、
 大谷翔平は八面六臂の大活躍をする。
 そんな日本人を育てたのはだれだったのか?
――という話。(写真:フォトAC)

【二週続きの快哉!】

 先々週はノーベル賞ウィークで二人の日本人が受賞し、先週はサッカーで日本のフル代表が史上初めてブラジルチームに勝ち、一昨日は大リーグポストシーズンナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、対ブルワーズで、大谷翔平選手が6回0/3を投げて、2安打・無失点・10奪三振・3四球。バッターとしては場外を含む3本塁打という確実に伝説となる活躍で、ドジャースを2年連続のワールド・シリーズへと導きました。民族主義*1の私としては快哉を叫びたいところです。
*1:自らの民族の独立、統一、発展、文化的アイデンティティを強く支持・擁護する立場

 日本人は他民族を圧して優れていると思っているわけではありません。私の育った昭和中期は、進歩的と言われる文化人・マスコミ関係者によって「だから日本人はダメなんだ」という言い方で繰り返し日本人の劣等性が主張された時代でしたので、こうした日本人の活躍は「他民族に決して劣るわけではない、すごい部分も山ほどあるぞ」という意味で単純にうれしくなるのです。
 大谷選手自身もこんなふうに言っています。
「(MVPは)たまたま今日みたいな試合がここに来てくれて、僕がもらいましたけど、(中略)、3戦目までを含めて全員が良い仕事ができて勝ち取った(ものだ)と思います」2025.10.18 スポニチ・アネックス

【注目すべきはその道徳性だ】

 大谷選手の魅力の一つはこうした謙虚さです。勝って奢らず、敗れてめげず、次に向けて淡々と努力する姿は、子どもにも見せ、真似させるべき態度です。
 フォアボールで一塁に向けて歩き始めた途中で、グランド上にごみを見つけてそれを拾い、ポケットに入れて持ち帰る姿、ダッグアウトで応援をする際、ほかの選手同様ヒマワリの種をクチュクチュと噛みながら、その殻を手に持った紙コップに吐き捨てる姿、それらも、子どもたちの意識にしっかりと植え付けたいと思います。
 どんなに練習しても、普通の子がドジャースポストシーズンに奪10三振・三本塁打を達成するような選手にはなれません。しかし職場のごみをさりげなく拾ったり、自ら散らかさないように心がけたりする人間は育てることができます。

 大谷選手は凄すぎて、野球選手として活躍をどう褒めたところで陳腐にならざるを得ず、だからそのしぐさや態度、人間性が注目されるという面もありますが、山本由伸選手だって佐々木朗希選手だって、ダルビッシュ有選手や鈴木誠也選手だって、みな同じようにやっているはずです。

 サッカーの日本代表チームのロッカールームが、試合終了後、まるで誰も使わなかったかのように整えられていることは有名な話です。観客席も日本人サポーターの座っていた辺りはゴミが集められ片付けられています。

 いや海外の一流選手の例を出すまでもなく、日本国内はどこへ行ってもごみが散乱しているということはありません。もちろんまったくないというわけではありませんが、外国と比べると別格にきれいに整えられています。
 なぜなら私たちがそうするよう躾けられているからです。

【誰が私たちを日本人に育てたのか】

 人の輪を大切にすること、謙虚であること、身の回りを清潔に保ち、散らかさないこと、そのほか山ほどの道徳性を、私たちは小さなころから丁寧に、家庭で、保育園で、スイミングスクールなどのクラブチームで、部活で、学校で、教えられて育ちます。子どもたちはそういった指導を――馬鹿にせず、しかし馬鹿みたいに、一生懸命、繰り返し学んで訓練して大人になります。だからできるのです。

 日本人なら勉強したり訓練したりしなくても、きちんとした態度が取れるようになるはずだという人は、人間を知らない人です。どんな小さなことでも、人間の営みの大部分は勉強しなければできるようになりません。中でも学校は、組織的に、計画的に、統一的な指導を行える場です。
 私は学校こそが、日本人を日本人に育て、高いレベルで維持することに寄与してきたと考えています。そして今、学校はその機能を手放そうとしているとも思っています。
(この稿、続く)