長いリカバリーの戦いの挙句、
よくなった部分も、そうでない部分も――。
本当は単純な作業が、ずいぶん紛らわしくなって、
本当は単純な結論が、実は避けられている。
という話。
（写真：フォトAC）
【ここまでのまとめ】
OfficeのIDカードに書かれた一行。
「Officeは以下のMicrosoftアカウントページより再インストールできます。account.microsoft.com/services」
半信半疑で提示されたURLを打ち込んでいくと、私が６年前に購入したOffice2019の表示があってその隣りにある［インストール］をクリックすると、いとも簡単にダウンロードが始まってしまいました。シリアルナンバーを入れる必要もありませんでした。３時間ほど経ってインストール終了。使ってみると全く問題なしです。
さて復旧までに足掛け４日、パソコンの稼働時間（たぶん）７０時間以上、私があれこれ調べたり悩んだ時間２０時間以上。それでわかったことは――。
- 正しい流れがわかっていれば、さほど難しい過程ではなかった。
①回復ドライブ（USB）かWindows内部の回復プログラムを使ってリカバリー開始。
②Windows10(以下Win10)に回復した場合は続けてアップデートするのではなく、Microsoft社のサイトからWin10（22H2）をインストール。
③続けてMicrosoft社のサイトからWindows11（以下Win11）をインストール。 - しかし１の①～③の過程で様々な問題が発生し、その都度、大量の対応策、応急処置、弥縫策が提案され、試された。そのあとMicrosoft社から決定的な解決策が示されても、前述の様々な対策は撤回されたり消去されたりすることなく、ネット上に残されて正しい道に至る門を見えなくしている。
- 基本的には本筋の提供者（この場合はMicrosoft社）のところに行って徹底的に調べるべきだった。
- それはいわば東京駅から綾部駅に行くのに、東海道新幹線から山陰本線に乗り継げばいいという正解が発見される前に、「中央東線は？」とか「北陸新幹線で金沢周りは？」とか「東北新幹線は使ってみた？」とか、「いやいや西武池袋線だろう」とか、様々に検討・提案されてきた状況が、そのまま残されているようなものであって、間違いもあれば迂回もある。そして正解が発見された後も、それはたくさんの情報の中に紛れてしまうーーそんな感じだ。ＪＲに聞けばよかったのに。
- ChatGPTはＷｅｂの中に答えを探しに行く。したがって上記の状況をそのまま反映してしまう。私がさんざん道に迷ったのと同じ間違いを、瞬時に行ってしまうだけで、真偽は見分けられない。その上しばしば嘘をつく。なんど罠にはまっても、私は繰り返し騙されてしまう。
【で、リカバリーの結果は？】
A．良かった点
- 最大の問題点であったネットの通信速度の揺らぎがなくなった。最低でもダウンロード30Mbpsで安定した。
- スタートアップの時間が短くなり、各種ソフトの立ち上がりの時間も格段に短くなった。
- 全体的に動きがスムースでストレスがない。
- 事前に確認し忘れたGoogle Earthなどのデータが、アプリケーション・データとして残っていた。
B． 問題点
- あきれたことに、相変わらずスピーカーからの音が出ない。イヤホンジャックもだめ。Windowsセットアップの時の、あのすがすがしい音声は何だったのだろう？
- 一部のソフトが対応しなくなった。OSがWin10からWin11にバージョンアップした際も問題なく使えた「ホームページ・ビルダー21」がインストールできなくなった。販売元のジャストシステムも「Win11には対応しません」と言っているが、今月末発売のホームページ・ビルダー23はバージョンアップ版で22,880円（税込）。バージョン21が9,800円だったことを考えると二の足を踏む。
- さんざん苦労した挙句、今の気持ちは「やっぱ、パソコン買い換えかな？」というところに落ち着かざるを得なくなったこと。
【やっぱ買い換えかな】
買って6年目のコンピュータ。普通の家庭の夜しか稼働しないパソコンと違って、毎日12時間はブイブイ鳴らしている暇人のマシン。黄信号こそ点いていませんが、ハードディスクの耐用年数5年という一般論に従えば、いつ壊れても不思議のないパソコンです。一昨年、業者にハードディスクを交換したいと相談したら「ハードディスクなんていうものは在庫もありません。今はSSDの時代です」とつれない返事。そう遠からず買い替えの時期は来ると思っていましたが、今が潮時かもしれません。
酒も飲まない、ギャンブルもしない、ましてや女性の影すらない。畑とコンピュータだけが相棒の人間ですから、旅行に出たつもりで、もしかしたら生涯最後になるかもしれないコンピュータに金を使いましょう。
（この稿、終了）
