夏休みが終わり、
エネルギーが貯まった子どもたちは、
苦しいほどの元気さで登校してくる、
――な、わけないでしょ。
(付録:9月のウンチク)
という話。
(写真:フォトAC)
【夏休みが終わって勇んで登校・・・するわけがない】
9月になりました。統計上は日本のすべての小中学校が昨日までに夏休みを終え、2学期もしくは前期後半を始めているはずです。とはいえ昔と違って夏休みも短縮気味で、今日から再開という自治体はおそらく3割程度です。
今年は残暑も厳しいのに(そして九州・東海そして関東地方一部のように、先週末から台風の影響で暴風雨に見舞われ地域もあるというのに)、皆さま、ほんとうにご苦労様です。長かった夏休みの明け、すごく気が重かったですよね。
昨日は横浜駅の商業施設から女子高校生が飛び降り自殺を図り、下を歩いていた30代の女性を巻き添えにして、二人とも亡くなってしまったというニュースがありました*1。
Yahooニュースではその記事の並びに「夏休み明け『学校に行くのが怖くてしかたない』と苦しむあなたへ、不登校ジャーナリストが今伝えたいこと」(2024.09.01 Aera Kidz Plus)*2という記事があり、さらにその関連記事として、「子どもの自殺が『9月1日』に突出して多いワケ。親が気付ける“心のSOSサイン”を児童精神科医を取材」(2024.09.01女子SPA!)*3といった記事も並んでいました。
学校は、行って数日も経てば何とかなるのに、それまでがたいへん、本当に気が重い――。私自身は小・中・高校とずっとそうでしたし、教員になってからの30年間も《夏休みが終わるのが待ちどおしくて新学期はウキウキと弾むように登校した》などということは一度もありませんでした。
もっとも恵まれていたのは、夏休みの最後の一週間はやり残した宿題の山や休み明けテスト勉強に追われ、ほとんどものが考えられない状態が新学期を迎えた点で、忙しさに追われて気がついたら休みが明けていて、意識が戻ったらすでに登校していた――そんな状況で何とか乗り越えられたのです。私がもう少し計画性と実行性に優れていたら、最後の一週間は登校することで頭がいっぱいになって、きっと苦しかったろうな、などと想像したりしています。
かつて不登校の指導の現場で、
「ゆっくり休ませてエネルギーの貯まるのを待てば、子どもは必ず動き出す」
と言った説が信じられ、実際に一日でも早く家に引きこもる指導が行われたこともありました。しかし私は自分自身の経験から、休めばエネルギーが充填されるといった説はまったく信じませんでした。休むことは大切ですが、それにも程があります。休ませるにしても休んでからも、時期を逸することなく、適切に手を打って行くことが必要だと思うのです。
夏休みを挟んで、子どもがすっかり心のあり方を変えて現れる場合があります。とりあえず変化の相を見逃さないように、落ち着いて見て行きましょう。
【9月になりました】
9月というのはグレゴリオ暦で年の第9の月にあたり、日数は30日です。夏と秋の境目に当たる月で、日本の会計年度に合わせた学校の年間暦と合わせると、4月から始まる年度前半の最後の月でもあります。今月を終えると、今年度の折り返しとなります。
日本では旧暦9月を長月(ながつき)と呼び、現在では新暦9月の別名としても用いることがあります。長月の由来は「夜長月(よながつき)」の略であるとする説が最も有力で、別名としては「寝覚月(ねざめつき)」というのもあるそうです。
英語での月名 September はラテン語表記と同じで、「第7の」という意味の“septem”に由来すると言われています。9月なのに「第7の」というのは、紀元前153年からはそれまで3番目の月だった“March”を1年の最初の月としたためで、そこで7番目だった”September”が9番目の月の名前になってしまったのです。同様に10月の英語名”October”の”oct”は本来「8」を表すラテン語で、8本足のタコ(Octopus)や「7音からなる音階の第8音=オクターブ(octave)」と語源を同じくしています。
私はかつてこの二か月のずれを「7月生まれのジュライアス(ジュリアス)シーザーと8月生まれのオーガスタ(アウグストス)シーザーという二人のローマ皇帝が、記念碑的に自分の名前をねじ込んだから」という説を大真面目に信じていました。私はひとに嘘を教えるときの、基本的なパターンです。自分自身が信じ切っているのです。
9月の年中行事としては、昨日9月1日の防災の日。アメリカ合衆国やカナダでは労働者の日となっています。
9月15日ごろに「中秋の名月」。もとは旧暦の行事ですので新暦に合わせると毎年多少のずれが出ます。今年の場合は2024年9月17日火曜日となっています。
9月の第3月曜日は敬老の日(今年は16日)
9月20日から9月26日までが動物愛護週間、
9月20日が空の日、そして今年は、
9月22日が秋分の日となっています(22日が日曜日のため、翌23日の月曜日がハッピー・マンデーになります)。
3学期制で言う2学期は1学期に比べて多少日数が多いのが普通ですが、「のび太の嫌いな6月(祭日がないから)」のような月がなく、何かこうか臨時の休みが入って励みになります。そんなことも子どもたちに話しかけながら、がんばり、がんばらせていきましょう。