やはり生成AIの助けを借りたい事情があり、
私は再びChatGPTに向かう。
そしてウソつき少年に、
ウソをつかせない方法を編み出すのだ。
という話。(写真:フォトAC)
【不毛な、あまりにも不毛な生成AIとのやり取り】
平安時代の貴族の数はどれくらいかとChatGPTに問と、次のようなやり取りになります。
あなた:
平安時代の貴族の数はどれくらいか
ChatGPT:
平安時代の貴族の数を正確に把握することは難しいですが、一般的な見積もりによれば、平安時代の貴族の総数は数千人程度とされています。貴族は基本的に朝廷に仕える者たちで、公家(くげ)や官人(かんじん)と呼ばれました。彼らは、摂関家(せっかんけ)、藤原氏、源氏、平氏などの有力な家系を中心に、様々な家柄が存在していました。
(以下略)
数千人程度とはAIにあるまじき曖昧さ――。そこで、
あなた:
正確でなくてもいいので、人数を調べてほしい。
ChatGPT:
平安時代の貴族の数に関する正確なデータは限られていますが、概算で述べることができます。
平安時代中期(10世紀~11世紀)には、貴族の人数は約5,000人から10,000人程度だったと推定されています。これには、朝廷に仕える上級貴族(公卿)から下級貴族(地下人)までが含まれます。貴族階級は大規模な家族単位で構成されており、主要な家系(藤原氏、源氏、平氏など)を中心に広がっていました。
私はちょっとイラっとします。私の知識の中に「平安貴族の数は、家族も合わせて3000人」というのがあって、これが貴族だけで5000人~10000人となるとその家族も含めた貴族階級の人数は2万人~4万人ということになってしまいます。平安京全体の人口が10万人~20万人ということになっていますから、貴族階級2万人~4万人は、あまりにも多すぎるのです。
そこで再び私。
あなた:
平安時代の貴族はどれくらいいたか、調べて資料を示せ。
日ごろから仲が良くないので、早くもこのあたりからケンカ腰です。するとChatGPTは、
ChatGPT:
4 件のサイト を検索しました
During the Heian period (794?1185), the aristocracy was a relatively small but highly influential segment of society. The exact number of nobles fluctuated throughout the period, but it is estimated that there were around 5,000 to 6,000 individuals・・・(以下略)
私が英語のできないことを承知で、しっかりとケンカを受けるつもりのようです。
あなた:
なぜ英語で応えるのか?
ChatGPT:
申し訳ありません、日本語で応答すべきところ、英語で回答してしまいました。改めて日本語でお答えします。
平安時代における貴族の数については、時期や資料によって異なる推定がなされていますが、一般的には約5,000人から6,000人程度とされています・・・(以下、略)
それ、さっきとほとんど一緒ダロ? 私がその話ではダメだと言ったら同じことを英語で返してきて、英語がダメだというとまた日本語に戻して・・・どういうコンジョウしてるんだ?
生成AIのプロンプトがどうのこうの言う以前に、そもそも人間がコンピュータにおちょくられていいものか、私ははなはだ疑問です。生成AIは、少なくともChatGPTはこんなふうに人間を弄ぶ技をどこで学んできたのでしょ?
昔、山口百恵さんが歌った「プレイバックpart2」を心の中で歌いながらあれこれ考えているうちに、私はついに、相手(生成AI)に嘘をつかせない、画期的な方法に思い至るのです。
【坊や、いったい、何を、教わってきたの】
そうだ! ChatGPTにものを訊くからいけないのだ。生まれたばかりで訊かれたら必ず答えなければならないと思い詰めているAI坊やは、気が小さいために反射的にもっともらしい話をしてしまう――。
言われてみれば昔から、人間にもそんな子どもが大勢いました。あの子たちはみんな、うまく答えられないことが怖くてしょうがないのです。弱い人間は困るすぐにウソをつき、ウソばかりがうまくなっていきます。
そういう子には、答えが違っていても責任をとらなくて済むような環境整備が必要です。つまり、
「その答えは気に入らない。でもそれはきみ(ChatGPT)が悪いんじゃなくて、キミが調べてくれたWebサイトやブログの作成者が間違っているんだよね。きみはただそれを探してきただけなんだよね」
ということです。ChatGPTの記憶や知識を問うのではなく。どこに書いてあったか、あ誰に何を教わってきたのか聞けばいいのです。その上で間違っていたらそれは記事を書いた人の罪であってChatGPTのせいではありません。
【ChatGPTに嘘をつかせない具体的な方法】
そこで私はこう指示します。
あなた:
平安時代の貴族階級の人口について書かれたサイト記事を探し、10個程度、列挙せよ
ChatGPT:
1 件のサイト を検索しました
以下は、平安時代の貴族階級の人口に関する情報が書かれたサイト記事の一覧です:
- 時雨の百人一首
- 「光る君へ」に学ぶ日本史 平安貴族は何人いたのか?
- 源氏物語【42】貴族という身分
- 平安貴族 - Wikipedia
- 平安貴族は何人いたのか?
- 平安貴族の出世システム「官位相当制」とは?
- 官職・位階|平安時代の官位制を大解説
- 紫式部と道長の家の違いは?
- 平安貴族にもあった“格差社会”?
- 平安時代の貴族の暮らしはどうだった?
してやったりです。あとはリンクされたサイトに行って自分で調べればいいだけです。私って頭いいでしょ?
(と、この時点では示された1~10がブログタイトルだったり記事のタイトルだったり、あるいはページ内の一節だったりとバラバラで、しかもリンク先がトップページにつけているのでそこへ行っても記事までたどり着くのが一苦労と、そんな意地悪をされているのに気づいていません)
(この稿、続く)