来週、96歳の母が心臓ペースメーカーを入れる手術をする。
飲み会に行けば、仲間ががんだのステントを入れただのといった病気の話になる。
老人の日常とはそういうものだ。しかし子どもたちは違う。
生き生き輝く夏休みに入る。先生方、ご苦労様でした。
という話。(写真:フォトAC)
【その歳でも手術をするのか?】
96歳になった母がここ3週間ほど、週1~2回のペースで昏倒するという事案があって病院に行ってきました。正確に言えば先々週の月・木とかかりつけの医者に行き、薬をもらったにもかかわらずその週の土曜日に意識を失ったため、次の月曜日(つまり先週月曜日)に改めて診てもらうと、
「続けて三回目ですから――」
といことで大病院を紹介され、そのまま救急で検査した結果を、さらに十日余りたった昨日、聞きに行ったわけです。
「房室ブロック」というのが最も疑われる病気だそうです。
96歳にしてはたいへんな健康体なのに電気系統に故障があって、稀に心臓が脈拍をサボる。一時間に一回といった周期なら問題はないのですが、立て続けに数回起こると心停止と同じなのでまず脳が働かなくなる、だから昏倒すると――。心臓は言わば血液ポンプ、ひじょうに単純な臓器ですから説明も分かりやすいものでした。
治療法としてはペースメーカーを胸に埋め込んで、そこから伸びた電極を腕に向かう血管に通して心臓まで送り、心臓がサボるたびに電気信号で刺激を与える、叱咤激励するという感じで、何かスパルタ教育の現場が思い浮かぶような話です。これもよく分かりまひした。
元の生活は取り戻せないと思っていた私としては、手術によって元気になるならこれほどいいことはないと思うのですが、極めつけの臆病者の母は、
「いや、もうけっこうです。いつ死んでもかまいませんから、手術なんていたしません」
とか言って抵抗します。96歳ですから簡単に死ねるなら放置でもかまいませんが、週一ペースで昏倒を繰り返すうちに動くのが怖くなり、一日中ベッドで過ごすうちにいつの間にか立派な(?)寝たきり老人、そのまま5~6年、あるいは10年――というのが私にとってできるだけ避けたい未来です。そこで医師と看護師と私との三者でようやく説き伏せて承諾させるに至りました。
手術は来週だそうです。
【大病も 日常のごと 高齢者】
「毎日が就労日」(毎日が日曜日というほど暇ではないので)の私としても昨日はなかなか忙しい日で、夕方からはいつもの仲間との飲み会。今回はコロナ禍のために3年ぶりという仲間も含めて6人と、ここ数年では一番の盛況となりました。
ところが来られないメンバーの中にひとりに、先月の上旬に大腸がんの手術をしたというのがいて、また別のひとりはステントを入れたばかりだから来られないという話。ステントは管を広げる器具で、私は義姉の胆管がんのときに覚えたのですが一般には血管のステントの方が有名だそうです。
「だから血管じゃねぇか?」
と幹事のいい加減な報告を聞きながら、そもそも仲間の大病がサラリと流され、通り過ぎていくことに驚きました。26年前、私が肺がんで手術をしたときにはもっと大騒ぎになったはずです。
43歳のがんは大事ですが、70歳のがんは日常みたいなものです。それでいいのかもしれません。
【皆さま、良い夏休みを!!】
さて、今日、日本のどこかで終業式があって、これでほとんどの小中高校が夏休みに入ります。長い一学期ご苦労様でした。
いまは教室にエアコンがあるとはいえ、今年の猛暑は殺人的で、そろそろ限界といったところだったのかもしれません。休める方はゆっくりと、涼しい部屋で体力回復に励んでください。
明けて2学期は――待ったなしと言われた教員の働き方改革や部活動の地域移行に《待った》がかかったままですが、さてどうなっていくのか――。私も命ある限り、しっかり見ていきたいと思います。
*例年、私も学校の長期休業に合わせ、このブログを長期休みすることにしてきたのですが、そのたびにアクセス数が2割以上減少してなかなか回復しません。別にバズる必要もないのですがせっかく毎日続けているもの、夏バテしない程度に、無理をしないで、書けるときには書いて行こうと思っています。
では皆さま、良い夏休みを!!