カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「6月になりました」~6月のウンチク  

 毎日となるとブログも苦しい。
 しかし月替わりには1日だけ余裕の日が生れる。
 月のウンチクについて語る日だ。
 今日、ようやく6月のその日になった。
という話。(写真:フォトAC)

【「6月になりした」~6月のウンチク】

 このブログはちょうど40年前、私が教員になった年に、荒れ果てた学級を何とか立て直そうと毎朝「良い話」をすることにした、そこから始まっています*1

 それから職員室内の配布文書として文字にするようになったのが19年前、ブログという形で公開し始めたのは17年前のことになります。
 さすがにこれだけの期間ほぼ毎日(と言っても学校に合わせた年間200日ほど)書いていると話題に事欠いたり、手をつけたのはいいかがどこに行くのか分からないといった先週のような事態が発生したり、すでに書いたことを初めて書くかのように思い込んで書いたり、それどころか検索でようやく探り当てた事象に感心し、「こんなことまで調べている人がいるんだあ」と感心したら古い自分の記事だったり*2と、いろいろな事件が起きます。

 現職の間は頭が空く(思考の枠に空席ができて、何かを考えることができる状態になる)と必ず翌朝話す話題を探し、目についたものを記憶したり調べたり、子どもの日常の美質を拾ったり過去を辿ったりと、話題探しに気の休まるときがありませんでした。その習慣は現在も続いています。
 もちろん話題が見つかれば、あとは頭の中で話の運びを考えながら日を過ごしますから、一日じゅう考えているようなものです。そんな40年間でした。
 
 ただし一カ月に一度だけ、ちょっと楽のできる日があって、それが月の末日です。なぜなら困ったら新しい月のウンチクを調べ、それを話せば一応かっこうがつくからです。タイトルはいつも『「◯月になりました」~◯月のウンチク』です。
 ですから今日のタイトルも『「6月になりした」~6月のウンチク』となります。困っていますから。

水無月、ジューン、ジューン・ブライド】

 今日から6月。
 日本では旧暦6月(今年は7月18日から始まる)を「みなづき」と言い、「水無月」または「水月」の字をあてました。「無」という字は「の」を表すので「水無月」は「水の月」、田に水を張る月だという説が有力みたいです。季節は多少ずれますが、今でもこの呼び名を好む人がいます。

 西洋では「ジューン(June)」。ローマ神話ユピテル(ジュピター)の妻ユノ(ジュノー)から取られたといいます。ユノが結婚生活の守護神であることから6月に結婚式を挙げる花嫁を「ジューン・ブライド」(June bride、6月の花嫁)と呼び、この月に結婚をすると幸せになれるといわれています。しかし単に6月に結婚すればいいというわけではなく、欧米で卒業式の行われる6月、卒業と同時に花嫁になる人だけを「6月の花嫁」というのだという説も聞いたことがあります。
 卒業と同時に社会生活を知らないまま家庭に入れば幸せになれる――現実的とも言えるし、女性を小ばかにしているともいえるなと、昔、考えたことがあります。
 
 「6月の花嫁」という逸話は梅雨時にさっぱり予約の入らない日本のブライダル業界が広めたもので、キリスト教徒が大半の欧米人はそんなギリシャローマ神話の神々に影響されたりしないという話もあって、ウンチク学(ケンチク学ではない)の世界はなかなか欺瞞に満ちて深いなあと思ったりもします。私も騙されているかもしれない話なので、鵜呑みにしないでください。

【6月の行事】

 6月は日本で唯一祝日のない月で、そんなことから「のび太の嫌いな6月」という言い方もあります。もちろんのび太がそんな現実を易々と受け入れるはずもなく、マンガ「ドラえもん」では「日本標準カレンダー」という秘密の道具を使って「勤労感謝の日」ならぬ「ぐうたら感謝の日」を制定してしまう、という場面があるそうです。ところがママもご飯をつくるのをやめてしまったため、空腹に耐えきれなくなったのび太はカレンダーを元に戻してしまった――それがオチ。私は読んだことがありませんが、いかにものび太らしい話ではあります。
 
 6月は極めて行事の少ない月です。旧暦6月が梅雨明けの農繁期で、とてもではないが行事に勤しんでいる暇はなかったからだという話もありますが、新暦の6月は梅雨の真っ最中ですから、太陽暦が使われるようになると同時に、旧6月(つまり夏)の行事は新暦7月(夏)に移してしまったのかもしれません。
 
 全国的には、

  • 6月1日 - 衣替え
  • 6月2日~4日 - 加賀百万石まつり(日本・石川県金沢市
  • 6月21日頃 - 夏至(北半球、20日・22日となることもあるが今年2023年は21日水曜日)
  • 6月23日- 沖縄慰霊の日
  • 6月30日 - 大祓(おおはらえ:百官以下万民の罪穢を祓い除き、清浄にするための神道儀礼

が拾える程度。他に、6月第1日曜日 - プロポーズの日(日本のみ)、6月第2日曜日 - 花の日。この二つはかなりマイナー。6月第3日曜日 - 父の日となるとさらに意識されていないのかもしれません。
 
 国際的にはけっこう大切なスポーツ行事があるようです。

  • 第1土曜(6月3日)がダービーステークス(競馬 イギリス・エプソム競馬場)。
  • NBAファイナルは今日から18日(日)まで。
  • ル・マン24時間レース(フランス・サルト・サーキット)は6月10日(土)~6月11日(日)
  • ゴルフ・全米オープン(男子)は6月15日(木)から18日(日)まで。
  • 毎年6月第1日曜日を含む週末に開かれていたゴルフ・全米オープン(女子)は、一カ月遅れの7月6日(木)~7月9日(日)。
  • テニスのウィンブルドン選手権は毎年6月末ということになっていますが、今年はカレンダーの関係で7月3日からロンドンのオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブで開かれます。

 スポーツ好きにはなかなかつきあうのが大変な月みたいですね。