デンマークでは十分な検査体制を理由に、
基本的な感染対策も撤廃しようとしている。
なぜ同じことを日本はできないのかとマスコミは責めるが、
人々の考え方も社会の基盤も、まったく違うじゃないか。
という話。
基本的な感染対策も撤廃しようとしている。
なぜ同じことを日本はできないのかとマスコミは責めるが、
人々の考え方も社会の基盤も、まったく違うじゃないか。
という話。
（写真：フォトAC）
【だから日本はダメなんだ】
日曜日（２月６日）の情報番組「ビートたけしのTVタックル」で、マスク規制などを撤廃したデンマークの話題が取り上げられ、様子の一部がＹａｈｏｏニュースでも紹介されていました。
記事の一部を引用すると、
人口約５８０万人のデンマークでは現在も連日４万人以上の感染者を出している。しかし、１日よりオミクロン株の重症化リスクが低いという理由で、インフルエンザ並みの扱いにし、隔離義務やマスク着用の義務を撤廃した。陽性者でも４日以上経過していれば、軽症なら外出しても良いという。同国では無料の検査体制が整っており、数多くの検査を行うことで国民の感染状況を把握・分析し今回の決断につながったという。
ということです。
私は「外国は優れているのに日本はダメだ」という話になると反射的に首を傾げ、眉に唾をつける癖がついています。
この時も首は直角に曲がり、両眉はツバでビチョビチョになってしまいましたが、調べてみると確かに、２月１日～７日までの１週間に新型コロナで亡くなったデンマーク国民は１日平均で２０・９人。同じ時期の日本はオミクロン猛威の中で１日８２・４人もいたのです。これならデンマークは隔離義務やマスク着用の義務の撤廃をしてもいいのかもしれません。
――と思いかけてもう一度考え直します。デンマークの人口って何人だっけ？
人口約５８０万人のデンマークでは現在も連日４万人以上の感染者を出している。しかし、１日よりオミクロン株の重症化リスクが低いという理由で、インフルエンザ並みの扱いにし、隔離義務やマスク着用の義務を撤廃した。陽性者でも４日以上経過していれば、軽症なら外出しても良いという。同国では無料の検査体制が整っており、数多くの検査を行うことで国民の感染状況を把握・分析し今回の決断につながったという。
ということです。
私は「外国は優れているのに日本はダメだ」という話になると反射的に首を傾げ、眉に唾をつける癖がついています。
この時も首は直角に曲がり、両眉はツバでビチョビチョになってしまいましたが、調べてみると確かに、２月１日～７日までの１週間に新型コロナで亡くなったデンマーク国民は１日平均で２０・９人。同じ時期の日本はオミクロン猛威の中で１日８２・４人もいたのです。これならデンマークは隔離義務やマスク着用の義務の撤廃をしてもいいのかもしれません。
――と思いかけてもう一度考え直します。デンマークの人口って何人だっけ？
【毎日５００人近いコロナ死に、日本は耐えられるだろか？】
調べてみると日本よりちょうど１億２０００万人ほど少ない５８３万人でした。日本の人口のわずか４・３％。デンマークから見ると日本は２１・６倍ということになります。
つまりデンマークのコロナの現状は、日本に合わせると、毎日８５万人以上の感染者が出て、１日平均４５１・４人が亡くなっているということになるのです。
このところの日本の新規感染者は９万人～１０万人ほどで、死者は先ほどの８２・４人ですから、デンマークの方がムチャクチャ大変な状況にあるのは明らかです。
前にも書きましたが日本の場合、これまで１日あたりのコロナ死の最大値は１２０人ほどでした（集計ミスが上乗せになった日を除く）。そんな日本の状況を「さざ波」と表現してえらく叱られた内閣官房参与がいましたが、“連日１００人を越える死者”程度に怯えて戦々恐々とする国が、“毎日４５０人死んでも平気な国”を羨んでもしかたがないと私は思うのです。基本的な感覚が違います。基盤も違います。いまも毎日４００人も５００人も死んでいるヨーロッパ諸国にあって、実数で毎日２０人程度しか死なないデンマークは、平和な国のように見えて当たりまえなのです。
つまりデンマークのコロナの現状は、日本に合わせると、毎日８５万人以上の感染者が出て、１日平均４５１・４人が亡くなっているということになるのです。
このところの日本の新規感染者は９万人～１０万人ほどで、死者は先ほどの８２・４人ですから、デンマークの方がムチャクチャ大変な状況にあるのは明らかです。
前にも書きましたが日本の場合、これまで１日あたりのコロナ死の最大値は１２０人ほどでした（集計ミスが上乗せになった日を除く）。そんな日本の状況を「さざ波」と表現してえらく叱られた内閣官房参与がいましたが、“連日１００人を越える死者”程度に怯えて戦々恐々とする国が、“毎日４５０人死んでも平気な国”を羨んでもしかたがないと私は思うのです。基本的な感覚が違います。基盤も違います。いまも毎日４００人も５００人も死んでいるヨーロッパ諸国にあって、実数で毎日２０人程度しか死なないデンマークは、平和な国のように見えて当たりまえなのです。
【巨艦は小舟のようには小回りが利かない】
番組では、今も毎日４万人以上の感染者を出しながら規制解除に向かうデンマークは、ＰＣＲ検査や抗体検査の無料検査場が国内に４３１か所もあって、だれでも気軽に検査が受けられるから互いに安心して向き合えるのだ、といった話もしていました。阿川さんが思わず「すごいなぁ」と呟いた場面です。
ひところ非常に厳しいと言われた日本の検査体制は今どうなっているのでしょう？
実際にどこまで機能しているかは分かりませんが、東京都の無料検査場は現在４００か所以上。１月第４週（1/24～1/30）の無料検査数は８１５９１件でした。
全国ではどれくらいの規模になるのか、調べても出て来なかったのですが、試しに鹿児島県のサイトをみたら、１県で１４１か所もありました。ですから全国では相当な数になるはずです。
デンマークがたった４３１か所で全国民を賄えているのは、やはり人口が５８３万人しかいないからでしょう。国土も狭い。日本が対抗するにはあと１億２０００万人分を用意しなくてはなりませんから大変です。
巨艦は小舟のように小回りが利かない、それだけの話です。そんなことも考慮しないで今も欧米諸国を羨むなんて、コロナ禍初期、イギリスやフランスやドイツ、スウェーデンなどの感染対策を大いに評価して、同じことのできない日本を蔑んだ過去を、マスコミは忘れてしまったのでしょうか？
