「心は踊らないが、心臓は踊る」~ここにもあった不調 

 大腸ポリープの手術をした日に、計った心拍数が108。
 さらに後日、飲み会に行ったら心臓が飛び出しそうなほど踊り始めた。
 心臓では死にたくない。
 身辺に整理しなくてはならない澱(おり)がたくさんあるからだ。
 私の心臓に何が起こっているのか――

という話。  

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(写真:SuperT)
 
 

【どうしてこんなに心拍が高いんでしょ?】

 昨日は7月半ばに受けた大腸ポリープの手術についてお話ししましたが、実はそこで重大な発見がありました。心拍数が異常に高いのです。そのことは病院に着くなり言われました。

 コロナ禍ですからまず検温し、血圧のチェックをし――と、その段階で看護師から、
「Tさん(私のこと)、どうしてこんなに心拍が高いんでしょ? 走ってきました?」
 走っては来ません。ただ駐車場が遠かったのとマスクをしたままだったので多少息苦しい感じはしていたのです。
「どのくらいあります?」
「108ですけど・・・」
 これが90/分くらいで、そして私がもっと若かったら、
「看護師さんが美人だからドキドキしてしまって・・・(実際に美人だった)」
くらいの軽口は言ったのですが(今ならセクハラ)、108となると冗談どころではありません。ふと考えこむ気になりました。

 確かに四半世紀前にガンの手術をしたあたりから平常時でも80前後とけっこう高くなっていたのは知っていました。しかし100を越える数値というのには記憶がありません。しかも走ってきたわけでも急いできたわけでもないのです。

 記憶をたどれば今年2月に人間ドックを受けたあと、3月の中頃だったか、ウォーキングの最中に左胸に圧迫感があって「あれ?」と思ったことが数回ありました。しかし病気を心配するほどのことではなく、やがて忘れてしまったのです。

 108とがどこまで異常なのか分かりませんが、告げられた日は大腸ポリープが主たる問題ですから、それ以上、心臓のことは考えずに帰ってきました。
 それから半月あまり、都会で続いていた非常事態宣言が切れた合間に行われた飲み会で、今度はとんでもなくひどい目にあいます。ビールに換算して5杯程度のアルコールを飲んで帰宅したら、心臓が踊っていて血圧計で心拍を計ると140越え。苦しくて死にそうになったのです。
 若いころならウイスキーを10杯ほど飲んでから、400mのグランド1周を全力で走ればこうなるだろうと思えるほどの心臓が高鳴り。息は激しく荒く、酸素を吸っているとは思えないほど苦しかった――。

 
 

【心臓では死ねない】

 心臓に多少の問題があるだろうということは、かねてから分かっていました。前の病気の時、全身のCT画像を見ながら、医師がついでのように冠動脈の異常について教えてくれましたし、ここ15年ほどは心電図検査のたびに引っ掛かっています。しかし自分が心臓で死ぬとは、考えてもみないことでした。勝手ですがガンで死ぬものだと思い込んで、実際にその覚悟でいたからです。

 ヨボヨボになって老衰で死ぬのも他人に迷惑をかけすぎですし、私の美学に合いません。事故死は、避けられない場合もありますが、後始末が大変です。その点ガンは、時間もありますから周囲に気を使って死ぬこともできますし、身辺整理もできます。生前のお礼を言いたい人もたくさんいますし、なにより家族に適度の迷惑をかけ、悔いのないようにしてあげることも大切です。一度経験済みの病気ですから対応もしやすい――それが心臓の病気だと、かなりまずいのです。

 机やコンピュータの中には、見られたくないものがいっぱいありますし、運転中の心停止だったりするとどれほど迷惑をかけることになるか分からない、それが恐怖です。

 酔って苦しんだ翌日、私はうろたえてパルスオキシメーターを買い、循環器の専門医に飛び込みました。

 
 

【今のところ、結局、分からない】

 今日までに受けた検査は4つ。
 一つ目は心臓の超音波検査。ドックでは腹部を診る検査ですが、それを胸でやるだけのことです。心臓肥大の傾向があり、鼓動のバランスも悪いが決定的な問題とは言えないとのことでした。

 二つ目が24時間心電図。体に電池ボックスら電極やらを張り付けて24時間生活します。体の前面が配線図のようになってしまいます。結果は、一日に二回ほど不正の心拍があるが、これも決定的ではない。

 三つめが造影剤を入れてのCTスキャン。大きなドーナッツみたいな機械に入れられ、途中から点滴で造影剤が入ります。薬が入ると全身がカーっと熱くなります。
 冠動脈に一か所、動脈硬化50%の所見があるが手術するほどのことでもない。

 四つ目はエアフローセンサー(呼吸といびきを測定する)とパルスオキシメーターを組み合わせた「睡眠時無呼吸症候群」の簡易検査。これは結果待ち。
 
 原因がわからず打つ手がないので、血圧を下げることで心拍を減らす薬(0・5錠)14日分をもらって帰りました。飲むと実際に1分間の心拍は80前後まで下がり、気分の問題なのか、生活全般が楽なったように思います。
 もうしばらく様子を見ましょう。たぶん死ぬことはなさそうです。

 
 

【まだ、悪いところがある】

 齢を取るということは、こうした不調とひとつひとつ戦っていくことです。子どもたちのように、「去年より今年の方がいいから、来年はもっといいだろう」ということにはなりません。去年並みなら御の字です。

 夏休み中、94歳の母は腰を抜かすように尻もちをついて、腰の骨を折りました。3回目の骨折だそうですが、腰が曲がったお年寄りの大部分は背骨の圧迫骨折を繰り返している人だということを、今回初めて知りました。ちょっと重いものを持っただけでも折れることがあるそうです。それも勉強になりました。

 さて、昨日今日と、大腸と心臓の問題についてお話ししました。明日はもうひとつ上の方へ行って、「頭が悪くなった話」をしたいと思います。

(この稿、続く)