カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「誰が大谷選手を育てたのか」~言わなければ誰も評価しない① 

 大谷翔平選手の活躍に、世界の注目が集まっている。
 そして彼の人格も高く評価されている。
 もちろんそこにはご両親教育と家族の支えがあったに違いない。
 しかしそれがすべてだろうか。

という話。

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(写真:フォトAC)
 
 

【天は時にひとりの人間に何物でも与えてしまう】

 昨日の大谷翔平選手は3四球2打数無安打と散々でしたが、ここのところ絶好調で毎朝おきてエンジェルスの成績を確認するのが楽しみです。
 大谷選手の魅力は100年も前のベーブ・ルースが持ち出されるほどの圧倒的な成績と、アメリカ人にまったく引けを取らない体格、甘い顔立ち、小さな子どものような愛くるしいしぐさや笑顔と、「天は二物を与えず」という格言が空々しいほどの満載です。

 これで性格が歪んでいたらかなりバランスが取れるのですが、残念なことに聞こえてくるのは、良い話ばかり。
  • フォアボールで1塁に向かう途中で走路のごみを拾ってポケットにいれた。
  • ダッグアウトで噛んでいるヒマワリの種の殻を、紙コップに吐き出す唯一の選手(他は床に吐き出す)。
  • 敬遠の四球でもバットを丁寧に置く。
  •  審判の粘着物質検査ににこやかに応えた。
  • 左翼席の観客落とし物を、わざわざ拾って投げ上げてくれた。
  • ファウルチップが相手捕手を直撃した時に「Oh Sorry.OK?」と気遣うシーンが見られた
  • 大敗の9回裏なのに、全力で1塁を駆け抜けた。
  • ファンからは『どこまで謙虚なんだ! この男をすでに愛してしまっている』『慎み深い』『純粋に一流だ』と称賛の声が続出している。
 
 

【ご両親の教育】

 これほどの若者はどのように育てられてきたのか――当然わいてくる疑問ですが、先週木曜日の「Newsポストセブン」の記事、大谷翔平の愛されキャラをつくった両親の教育とホットプレートでのご飯」 はその一端を知らせてくれます。

www.news-postseven.com

 

  • 恵まれた体格や身体能力は天性のものですが、それだけでは大谷選手は語れない。あの礼儀正しさと親しみやすさは、彼を見守ってきた両親の教育の影響が大きい
  • ご両親とも家庭内で大谷選手を叱ることはほとんどなく、重視したのは子供が安らげる空間を作ることでした。
  • 両親の唯一の決めごとは『子供の前で夫婦げんかはしない』だった。
  • その居心地のよさからか、大谷選手が子供部屋を使うことはほとんどなかった。勉強するのもテレビを観るのも、家での時間はずっと家族とリビングで過ごしました。
  • とりわけ大事にしていたのが食事だ。夕食は5人家族が揃って食卓を囲む。
  • 大谷家では、両親が「もっと食べろ」「好き嫌いをするな」とうるさく言うことはなかった。
  • 休日に多かったのがホットプレートでのご飯。みんなで料理をつつきあうことで自然と会話が増えると考えた。
 全体としておっとり、ゆったりと育ててきた様子がうかがえます。あまりにも理想的なので途中でチャチャも入れたくなりますが、
「まあ、優秀なお子さんを持てば自然と“ゆったり”にはなるよなあ」
くらいしか思いつかないから困ったものです。

 しかしさらに一歩踏み込んだとき、ふと浮かんでくるのは、
大谷翔平選手の人格形成に、ご両親や家族以外、他に深くかかわった存在はないのか」
という思いです。

(この稿、続く)