カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「新型コロナの感染者と死亡者が爆発的に増えたのは、統計の基準が変わったからだ」

 昨日、新型コロナウイルスはピークを越えたのかもしれないと書いたばかりなのに、昨日一日で、突然、感染者が1万4840人、死亡者も242人も増えてしまいました。しつこいですが、一日で増えた数がこれだけなのです。

 感染者はここのところ減る傾向にあったのに一気に7.4倍にもなり、死者も一昨日はじめて減少に転じたというのに、昨日は一昨日の2.5倍にもなっています。

 それをグラフにすると次のようになります。

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 こんなアホなグラフはそうはないのであって、統計の専門家に聞けばきっとこう言うはずです。

「考えられる原因は三つ。
 一つ目は単なるミス。計量値でいうと㎏とgを間違えるといった場合。
 二つ目は恣意的な誤魔化し、隠ぺいなどの場合。
 ただし新型コロナに限って言えば、数が多くなってしまうミスはすぐに発見されて訂正されるだろうし、誤魔化して増やすこともあるまい。
 したがって可能性は残りのひとつ。
 統計に載せる基準が変わった。
 これだけであろう」


 私はいじめ問題につて継続的に見てきましたが、学校におけるいじめの件数はしばらく減り続けた後で突然跳ね上がる傾向があります。これもそのときどきで報告すべきいじめの定義が変更されたためです。

 新型コロナについても同じことが言えるはずです。
 しかし今回の数字、
 これまで統計に含めなかったものを一気に投げ込んできたものなのか、それとも本当に昨日一日で増えた数字なのか、それは明日になってみないと分からないことです。後者だとすると本当に恐ろしいことですが――。
 
 

《追記》

 午後になってこういう記事が出ました。
 湖北省政府は感染者と死者の急増の理由について、これまで発表していなかった「臨床診断」で感染者と判断されたケースを含め、結果を修正したと説明している。臨床診断による増加分は感染者が1万3332人、死者は135人という。
 中国紙・環球時報(電子版)は臨床診断について、ウイルス検査で陽性の結果が出ていなくても、新型肺炎特有の症状の有無で感染しているかどうかを判断する方式だとする専門家の見方を伝えた。
2020.02.13 読売新聞「湖北省の死者242人増、「臨床診断」含め大幅に修正」
 要するに“きちんとした検査をしていなくても明らかに新型コロナウイルスによる症状または死亡だと考えられるものを含めるようにした”ということです。
 他地域がそうしていたのなら、湖北省も最初からそうすべきでした。これでは隠ぺいといわれても仕方ないでしょう。

 なお、そうなると臨床診断を含めない感染者の増加分は1508人、死亡者は107人。昨日までの基準で考えると感染者は25%減、死亡者は13%増(ただし三日前よりは少ない)ということになり、やはり良い方向に動いているように見えます。

 

(参考)