「恋人がほしければ家電量販店に行け!」~少子化と非婚について考える3

 少子化の原因の9割は未婚率の増加のためだといわれている
 実際 男性の5人に1人 女性の7人に1人は生涯独身という“超未婚社会”
 
しかし18歳~34歳の男性の85.7% 女性の89.3%は結婚する意志を持っている(*1)
 結婚は個人の自由だが その気のある人たちが全員結婚すれば 少子化問題は解決し
 親たちも安心して老後を過ごせる
 だとしたらどうしたらいいのだろう
という話。

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 【恋人がほしければ家電量販店に行け!】

 先週土曜日の

www.nhk.or.jp  後半は「どうしたら未婚率を下げることができるのか」がテーマでした。

 そこで浮かび上がってきたのが、「結婚したい気持ちはあるのだが適当な相手がいない」という切実な問題。
 実際に平成の30年間に、“交際相手がいない独身男女の割合”は男性がおよそ50%から70%へ、女性は40%から60%へと5割近くも上昇している(*2)のです。
 そこでNHKスペシャルは、どういう人が恋人を得やすいのか、どういう人がダメなのかをふたたびAIに訊いてみます。

 昨日までにお話しした「結婚しやすい人、破局を迎えがちな人」の解析と違って今回は男女差が出ず、予想どおり能動的な人たちが交際相手を見つけやすく、控えめな人・人間関係の希薄な人は難しいという結果が出ます。拍子抜けするような平凡な解析結果なのですが、その中に驚くべき事実が一つ沈んでいました。

 それは家電量販店に月一回以上行く人は交際相手を得やすく、「行きたいがあまり行っていない」と答えた人はダメなのです。しかもその項目はネットワーク図で「交際相手を得やすい傾向」「得にくい傾向」のそれぞれ中核部分にあったのです。

 それが後半の見どころ、面白いところです。
               *1*2・・・国立社会保障・人口問題研究所

 

【だから専門家はダメなのだ】

 なぜ家電量販店なのか――。
 これについて一人の専門家は、
「家電量販店には家族連れも多く、子どもを連れている様子を見たりすると“家族もいいな”と思って交際意欲が高まる」
と言い、別の研究者は、
「偶発的に何か面白いこと(商品)が見つかるという楽しさが家電量販店にはある。テレビを買おうと行っても別のフロアには洗濯機が置いてあったりする。恋愛の確率を高めるという意味では、偶発的な要素に面白さを感じるという部分は当然大きいだろう」
と言っていましたが、おそらく、このお二人は家電量販店でものを買ったことがない。
 少なくとも2種類~3種類の商品を迷いながら選んだことがないと思います。

 なぜなら1度でも量販店に行って冷蔵庫やテレビを選んだりすれば、結婚への意欲の高まる理由は簡単に理解できるからです。1度でダメなら2~3回行けば、それでも分からないという人はよほど鈍感です。

 

 【家電量販店には意識変革装置のような役割がある】

 だってお一人様の冷蔵庫なんて、ほんとうにつまらないのです。野菜室があって冷凍庫があってチルドルームがあって、ドアはポケットが細かく仕分けされていて、自動製氷機があってビールも適温に調節できる多機能の冷蔵庫となるとどうしても500ℓ以上入る大型になってしまいます。
 そんなもの独身者が買ってどうするのか。

 テレビも今流行りの60型・70型の4K・8K対応を購入したい。金もある。しかしそんなでかいテレビ、ひとりの部屋に入れてどうするのだ?
 女の子をとっかえひっかえ連れ込めるモテ系男子なら楽しいかもしれないが、普通の男の子ではかえって惨めだ。一人暮らしの狭い部屋で、あんな大型画面、視野にも入りきらない

 そこで仕方なく40型テレビと小さな冷蔵庫と小さな洗濯機を買ってくる。部屋に置いてみる。やはり惨めだ。1合炊きの炊飯器なんて置いてあるのはウチと独居老人の部屋くらいなものだ。
――そういうことは家電量販店で商品を見比べたりしない人には、分からないことなのかもしれません。

 もちろん同じ独身でも資金力があって広いマンションに住み、大型テレビも冷蔵庫も洗濯機もバンバン買ってしまう真に貴族の名にふさわしい独身者もいます。あるいは10年後の(家族を持っているだろう)自分を考えて無理してそろえる独身者もいます。

 しかしすべてが揃ったように思えた部屋を見回して、その人は自ずと欠けているものに気づくはずです。
 つまりその部屋にふさわしい“家族”がいない。

 NHKスペシャルでは学者が気づかなかったその答えに、家電量販店の客と店主の双方が簡単に答えてしまいます。
「家電量販店には意識変革装置のような役割がある」
と。

 

【黒マント婚活】

 NHKスペシャルは最後に婚活パーティでどういう要素がカップルを成立させるのかを分析します。
 驚いたことにそのトップは「ファッションが趣味かどうか」。しかもファッションに力を入れると相手が見つかり易いのではなく、相手に敬遠されてしまうからできるだけ控えた方がいいという結果を出したのです。男女とも同じ傾向でした。
 そこから、婚活パーティでは「ファッション」という要素を消してしまえばカップル成立の可能性が高まるという仮説が立てられます。

 番組では愛媛県の公設婚活事業の場を借り、参加者全員に黒いマントを着せて行うということで実験しました。そしてまんまと仮説通り、普段は29%のカップル成立率がその日に限って43%にまで高まったのです。

 もちろんたった一回の実験で証明というのはおこがましいのですが、私には数値よりも実感としてよく分かりました。
 番組が中心的に取り上げて最後に見事カップル成立となった女性は、黒マントを着ていた時の方が魅力的だったからです。35歳という年齢相応に、落ち着いたいい感じだったのです。

 ところがファッションが趣味で普段は個性的な服装を好むというその女性は、ガウンを脱ぐと黄色の派手なワンピースで、やや軽い感じがしました。私だったら静かに敬遠するところです。

 しかし私の実感が正しいとなると、黒マントでおしゃれを封じたことでその女性の本質がよりよく見えたのか、黒マントのために本質が見えなくなったのか、よく分からなくなります。
 どちらが正しいのか――。

 

【何とか若者の後押しをしよう】

 しかしそれはどちらでもいいことです。婚活パーティでその場で結婚を決めるわけではなく、そのあと交際してみて、そこで気に入ったら決めるからです。

 家電量販店のひらめきで結婚を決めたり、大型家電を揃えてしまったので結婚する気になったりするのも決して不純ではありません。
 どうせ結婚までは紆余曲折、時間もたっぷりかかるのです。さらに結婚してしまえば――それが十分準備期間を持った結婚でも突発的な結婚でも、互いの本質に触れてそれまで知らなかった部分に気づき、双方調整し合って家族を造り上げて行く過程にそんな大きな差はないからです。
 とにかく結婚する気のある男女はふれあい、側にいて、あるいは中途半端なままでも結婚してしまうのがいい。

 その点で、マツコ・デラックスも言っていましたけど、昔は世話好きのオバさんがいて本人が多少納得していなくても強引にくっつけてしまうようなことがあった、そのようなことがなくなったことは惜しいことでした。

 また日本の社会は男女の出会いの場として“職場”が圧倒的な機能を持っていたのですが、現在はセクハラ・パワハラ問題、あるいはコンプライアンスの関係で安易に結婚を勧めたり、デートに誘ったりできなくなっていますからそれも厄介です。

 そうしたことも含め、しかし政府とは違った面から、若い人の結婚を後押ししていきたいと思いました。
 世の中の9割の若者に結婚の意思があり、大人の多くがとりあえず「結婚することはいいことだ」と思っているのですから。