「有料化は何のため? 誰のため?」〜私のレジスタンス(レジ袋に関するスタンス)2

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 (インド・バラナシのガンジス川

 

 “私はレジ袋が大好きだから有料化されると困る”という極めて個人的な思いから書き始めましたが、正直に言うと、日本人は頑張ってほとんど流していないにも関わらず、“プラスチックによる海洋汚染が深刻になった。だから有料化してレジ袋を減らす”、というから腹が立つのです。

 

 “原料である石油の輸入量を減らしてエネルギー資源を守るため”というならまだ我慢もできますが、レジ袋以外の大規模な省エネキャンペーンが行われているといった話も聞こえてきません。

 

 そうなると海洋汚染を持ち出してレジ袋の有料化をうんぬんするのは他に何か魂胆があるのではないかと、詮索したくもなります。

 

 

【レジ袋有料化、何のため? 誰のため?】

 考えてみればレジ袋ばかりが悪者扱いされますが、プラごみを減らすにはラップやトレイといった包装容器やペットボトルもなくしていかなければなりません。ラップはムリでもトレイは紙で代用できますしペットボトルは――これはもう簡単で、液体容器にはガラス瓶というリユースの王者が存在するのです。

 回収して洗えば何回でも使えるガラス瓶に順次切り替えて行けば、これほど素晴らしいプラスチック削減策もないはずです。

 

 ただし紙トレイとガラス瓶には大きな欠点がああります。プラスチックやペットに比べて原価が高く、ガラス瓶は重すぎて運送費も人手も多くかかるからです。回収や洗浄のコストも考えなくてはなりません。とんでもない負担増です。

 

 レジ袋の廃止はその点、大幅なコストダウン、あるいはレジ袋そのものを売って利益が出せるわけで、国内で1年間に消費されるレジ袋は450億枚と言いますから、1枚3円の原価だとすると小売業者全体で1350億円のコストダウン。しかもその10分の1程度の45億枚が5円で売れるとなると1枚につき2円の儲けで90億円もの収入増となります。差し引きその540億円の儲け!

 

 嫌な想像をしてしまいました。しかしトレイもペットボトルもお咎めなしで、レジ袋だけ削減して海洋汚染防止を目指すという不自然は、やはり何らかの説明をしていただかないと納得できないところです。

 

 実際、プラスチックごみによる海洋汚染を何とか阻止ししたいということであれば、チマチマしたレジ袋の有料化の前にやらなくてはならないことがあるはずです。

 

 

【世界の海洋プラスチック廃棄物の9割は、わずか10の河川から流れ込んでいる】

 今年の7月12日、ニューズ・ウィーク日本版に「世界の海洋プラスチック廃棄物の9割は、わずか10の河川から流れ込んでいる」という記事が出ていました。

 

 それによると、

 独ヘルムホルツ環境研究センター(UFZ)の研究プロジェクトによると、海洋に流出しているプラスチック廃棄物のおよそ9割が、わずか10の河川から流れ込んでいるという。  その流出源として挙げられているのが、中国の長江、黄河、海河、珠江、中国とロシアとの国境付近を流れるアムール川、東南アジアを縦断するメコン川、インドのインダス川ガンジス・デルタ、アフリカ大陸東北部から地中海へと流れるナイル川、西アフリカのニジェール川で、いずれの流域も比較的人口の多い地域として知られている。

(中略)

 研究プロジェクトを主導した水理地質学者のクリスチャン・シュミット博士は「これら主要な河川の流域からのプラスチック廃棄物の排出量を半減させるだけでも、海洋汚染の軽減に大きな効果をもたらす」と指摘。「そのためには、廃棄物の分別回収やリサイクルなど、廃棄物マネジメントの改善をはかるとともに、一般市民に向けた啓発活動を積極的に行うことが不可欠だ」と説いている。

のだそうです。

 

 何をかいわんやです。この9割をほったらかしにしておいて日本のような優良リサイクル国が頑張ったって、焼け石にスズメの涙みたいなものです。

 

 もう一度昨日と同じことを言いますが、私たちのすべきは、欧米に合わせてレジ袋やプラスチック・ストローをなくすことではなく、世界にゴミの分別を教え、持ち帰りを奨励することじゃないかと思うのです。

 

 そしてそのための費用の一部も日本が出せばいいのです。財源は、先ほど計算したレジ袋の有料化によって企業にもたらされる収益540億円を毎年当てていきます。それだったら私も喜んでレジ袋を手放しましょう。必要に応じてエコバックを用意したり5円の袋代を出すことで直接的に世界の河川を、ひいては世界の海をプラスチックから守れるなら、そのくらいの努力は惜しまないつもりです。

 

 

【しかしレジ袋がなくなれば、本当にプラスチックゴミは減るのか】

 さて私は教員だったので昼食を外で摂るということはほとんどなかったのですが、稀に研究授業などで他校を訪問するときなど、コンビニ弁当を持って行くこともありました。食べ終わると残りの汁などがこぼれないようにレジ袋の口をキュッと締め、帰りは車に投げ込んで家に持ち帰りました。たぶん一般的なやり方でしょう。

 レジ袋がなくなったら、こぼさないように恐るおそる車まで静かに運んで、やはり持ち帰るはずです。私はまじめでキチンとした性格ですから。

 それにどこかに捨てて児童生徒・保護者にでも見られたら大変です。保護者は子どもの2倍、祖父母は4倍もいますから誰が見ているかわかりません。

 

 しかし世の中は教師のような窮屈な職業の人ばかりではありません

。  昼食は毎日コンビニ弁当だという人もいるでしょうし、休日の公園にちょっとした飲み物やお菓子を買って持って行く人もいるでしょう。そういう人たちもやがて「レジ袋の口をキュッと締めてゴミを持ち帰る」ということができなくなるわけです。お金を払わない限り店からは渡してもらえないのですから。

 

 彼らは空になった弁当箱やプラスチックカップをどうするのでしょう? みんな私の(やるだろう)ように、汁がこぼれないよう恐るおそる運んで、家まで持ち帰ってくれるでしょうか?         

 

               (この稿、終了)