「被災の国の民」〜北海道で大きな地震があった・・・

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 西日本が繰り返し集中豪雨に苦しみ、四国・近畿が台風被害に遭ったばかりだというのに、気象災害からは比較的安全であった北海道で大きな地震が起きてしまいました。

 まだ被害の全容も分からない状況ですが、心からお見舞い申し上げたいと思います。

 

 

【神の采配】

 それにしても特に厚真町吉野の土砂崩れ様子は目を覆うばかりです。あの土砂の下に何人もの人間がいるのかと思うと息が詰まります。

 

 広い北海道の中の広い田園地帯で、なにゆえ神様はあの集落にを目指して土砂を落としたのか。人の住んでいない場所はいくらでもあるし家で眠りについていない時間ははたっぷりあるというのに、なぜあの時間のあの場所でなければならなかったのか――。

 私は基本的に信心深い人間ですが、ときおり神様の思惑が分からなくなる時があります。

 

 その想いは逆に考えると、「人々はなぜあの広い田園地帯の中で、わざわざ山際の危険な場所に居を構えなければならなかったのか」という恨みにつながります。特に北海道は明治以来の開拓民が自由に土地を選べた場所です。広い畑のど真ん中にデーンと宅地を構えてもよさそうなものを、何が哀しくてあんなところに家を建てたのか――。

 しかしそれには理由があるのです。

 

 

【水の湧き出る場所】

 今や都会では新興住宅は丘陵地の上につくるのが理想です。自由が丘だとか照陽が丘だとか、実際にそうかどうかは別にしても、陽当たりがよく、眺めも良いという印象が人々を引き寄せるからでしょう。しかし昔は違いました。

 

 厚真町の被災場所を見ればわかるように、そこは厚真川がつくった肥沃な畑地の外れです。川は何千年もかけて上流の土地を削り、山の養分と一緒に運んで厚真の土地にをつくりますが、そのさい周辺の山々も削り、垂直に近い崖を形成します。現在そこが崖に見えないとしたら、繰り返し崩れたためにそうなっただけの話です。

 その崖の下、畑との境だけが湧き水の期待できるところなのです。山の上も、川のつくった平らな部分も、水の湧き出るような場所ではありません。古代の人々も入植の開拓民も、その水を求めて崖の下に家を建てたのです。

 

 

【便利な場所は危険な場所】

 それは日本人がずっと背負ってきた宿命です。繰り返し津波の被害に遭いながら決して海岸べりを離れなかった漁民も、崖や扇状地の端といった土砂崩れや水害に弱い場所に居を構えた山の民も、皆、危険を承知でその場所に住むことに決めたのです。

 

 生きて生活していくということのは、やはり大変なことなのかもしれません。