「アナログ賛歌」①

 妻がまだ現職教員であるため、しばしば教材作りなどで相談を受けます。
「パワーポイントでね、肉やジャガイモや玉ねぎを紹介して、それが次々と鍋の中に飛び込んでいってカレーができるっていうアニメーション、できない?」
といったことです。

パワポも万能じゃない】

 できるかできないかは彼女の思い描いているイメージ次第で、テレビアニメ並みに「できる?」という話なら「できない」ですし、単に“真横から見た鍋にニンジンやジャガイモが上から飛び込んでいく程度のもの”いいなら「できる」と言ったところです。
 ただしそれにしても肉やらジャガイモやら鍋といったイラスト素材がなければ始まらないので、ネット上に無料素材を探してみるのですがこれがなかなか、必ずしも適切なものが見つからないのです。

 イラスト描画が堪能なら自分で描いてgif画像として取り込むのが一番簡単で確実なのですが、あいにく私も妻もそちらにスキルがありません。
 日頃は恋しいとも思わないシーナを思い出すのはそんなときです。こういうことには堪能な娘なのです。近くにいさえすればすぐにでも手伝ってくれるはずなのに・・・。

【そろそろ飽きてきた】

 私は自分の手書き文字が大嫌いなので、「一字も世間に出さない」とう強い気持ちで人生を送ってきました。
 しかし教員になると毎日黒板に字を書きますし、学年だよりも(当初は)ガリ版という名の手書き、生徒の日記に書く一行も手書き・・・と“世間に出してはいけないもの”がどんどん出て行ってしまうのです。ほんとうに情けなかった・・・。

 とそんな状態の私にまずワープロ専用機という天の恵みが訪れ、続いてリソグラフという優秀な印刷機が入ると学年だよりや教材文書はすべてワープロ任せ。さらにPC時代になって「パワーポイント」という素晴らしいプレゼンテーション・ソフトが来ると、手書き文字の暴露率は極端に下がってしまいました。もう半分天国です(黒板が残りましたから半分だけです)。
 以来、研究会の発表や保護者への説明会、全校集会での掲示等はすべて「パワポ」で行いました。「一字も世間に出さない」主義の私はこの点でも先駆的で、だから目新しく誉められもしました。
 気分もよかった。

 ところが10年もすると、世の中、右も左もパワポなのです。さらに数年たって子どもたちまで使い始めると、パワポの説明はほんとうに陳腐になってしまいました。

【次に来るもの】

 もちろんパワポの使用が陳腐になったということは、結局、内容やレイアウトで勝負するしかないという本来の姿に戻っただけなのですが、それにしても何かもっとインパクトのあることはできないか――。
 そこで気づいたのが「ポスターセッション」です。

(この稿、続く)