「マネー・ファースト!!」�@

 子どもじゃないのだから文章を書こうとするとき、まず辞書を持ち出して「広辞苑では〜」みたいな書き方はしたくないのですが、「アメリカ・ファースト」とか「都民ファースト」とかいうときの「ファースト(first)」の意味が分からなくなって、慌てて辞書を取り出しました。

 それによると名詞のfirstは、

「第一; 1等,1位; 〔英大学〕首席; 初め; (月の)ついたち; 〔車〕ローギヤ; 〔野〕1塁」

だそうです(三省堂「Web Dictionary」)。大体思っていた通りです。

 なぜ意味が分からなくなったのかというと「アメリカ・ファースト」「都民ファースト」と何度も聞いているうちに、ふたつは同じでも古くから知っている「レディ・ファースト」の方は少し違っているような気がしてきたからなのです。

 うまく説明できないのですが、「レディ・ファースト」の場合は“レディ”後ろに男性がついていくことができる感じがあるのに、「アメリカ・ファースト」や「都民ファースト」の場合うしろに誰かがついている感じがない、誰かが置き去りにされて“アメリカ”や“都民”は行きっぱなしといった感じを受けるのです。

【レディ・ファーストはDV?】

 そこで「レディ・ファースト」を調べたらその起源は、

「中世の騎士が暗殺者から身を守るために女性を前に立たせ、先に食事を促した(毒見)から始まった」

といった話が出てきました(すごいな)。

 年中暗殺を恐れて生きる生活というのが思い浮かばないので、“お化け屋敷でレディ・ファーストをするのか”と置き換えてみたのですが、これはやはりなかなかできない。

 よほど屈強な女性と付き合っているか、自他とも認める臆病者で彼女も認めてくれているといった、とんでもなく特殊な場合でないとありえないと思うのです。

 どんな場合でもやはり男は見栄を張る、がんばらざるを得ないでしょう。

 そういえば昔、カツアゲしやすい組み合わせ・しにくい組み合わせという話があって、一番やりやすいのがサラリーマン風男三人組(イキがるヤツがいても必ず押さえに回るヤツがいる:「まあ、ケガしても損だから払っておこうぜ」)、やりにくいトップはカップル、男には死んでも引き下がれないときがあるのです(ちなみに第2位はオバさん三人組。死を恐れずに鞄を守って抵抗するとか・・・)。やはり危険な場所で女性を盾にするというのは容易にできることではないでしょう。

 もっとも、それじゃあ「アメリカ・ファースト」や「都民ファースト」は米国民や東京都民を盾に、トランプや小池百合子さんが生き残るやり方か?とい考えると、なんとなくしっくりくる――、両方とも国民・住民のためというより政争の具になってきていますから。

【オリンピックの費用は誰が出すのか】

昨年の秋、私がずうっと首を傾げていたのは「オリンピックの費用、誰が出すの?」とという問題です。

今、振り返ってみると12月のあたまの時点でもわかっていなくて(2016/12/1「負の遺産」〜長野の矜持、東京の怯懦)でも、

「新設の『有明アリーナ』は404億円、それに対して『横浜アリーナ』は仮設観客席の工事だけなので7億円+αで済む」

など平気で書いています(マスコミももっぱらこの扱いでしたが)。

 後に明らかになるのですが、実はこの時点で施設費のどの部分を誰が出すのか、まったく決まっていなかったのです。マスコミもまるで触れていなかった。

 調べても分からないわけです。

 大雑把に決まっていたのは恒久施設は地元が、仮設は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会)という振り分けでした。

 しかしそれでも大問題でしょ。

                                (この稿、続く)