「私が仕事を辞めたいくつかの理由」�A

 

「私が仕事を辞めたいくつかの理由」3――意外と時間が足りなかった

 教員時代は勤務校が遠かったこともあって朝7時前に家を出て、午後7時過ぎに帰宅しました。実質的拘束時間は12時間です(担任時代はさらに2時間くらい長く、管理職として単身赴任していた時期は毎日16時間以上学校にいました)。

 けれど再就職先は車で7〜8分のところ、しかも勤務時間は6時間(休日は8時間)ですからどれだけ時間的余裕ができるのか。そう思って楽しみにしていたのですが意外と楽ではなかった――。最初の内は余裕もあったのですが次第に足りなくなってくるのです。

 ひとつは家庭での仕事が増えたこと。

 午前中を家で過ごしているのですから期待される仕事量も増えてきます。それなのにペースはむしろゆったりとしてきます。

 教員として学校勤をしていた時代は時間のないこともあって家での働きも尋常でないペースで行っていました。例えば今はブログとなって継続しているこの記事も、30分以内で書くことを常としていてその分、日中の3分・5分といった細切れの時間に頭を使って構想を練っていたりしていました。

 それが現在はうっかりすると何のアイデアもなくパソコンの前に座り、「さて今日は何を話そう」ということになったりします。そうなると1時間2時間はあっという間です。

 庭の草取りなども、かつては30分とか決めてその時間で必死に取りまくり、残った分は明日、とかやっていたのが今は2時間でも3時間でもやっている――。丁寧にはなりますがハカはさっぱりいきません。

 さらに一方で、再就職先では頼りにされ役もついて時間外の仕事が増えてくる。

 わずか1年の経験者ですが新卒ホヤホヤのボウヤではないのです。過去の経験がありますから役を持っていきやすい(役を押しつける上で大切なのは実力よりも名分です)――児童館ではド素人なのにあっという間のスピード出世で仕事が増えます(手当も何の特典もつきませんが)。

 さらにもうひとつ。

 これはすべての日本人が持っている基本的習癖かと思うのですが、与えられた仕事に対して与えられた以上のことをやりたがる――それが私にもあるのです。

 仕事をより効率的なものにしよう、美しい職場環境にしよう、やりやすいように仕組みや手順・割り振りを考えなおそう、私が辞めても代わりの人が困らないようにすべてを整えておこう――。

 もともと教員というものは労働者意識が極端に低く、労働時間に関する配慮もほとんどありませんから無限に働いてしまう傾向があります。時間が足らないと「残った仕事は家に帰って」とか平気で考えてしまいます。それが家での生活を圧迫します。

 結局2年目の後半になると毎日毎日ひじょうに忙しく、あたふたとコマネズミのように働かざるをえなくなってきました。

なにかまったくのアテ外れです。これではやりたかったことがほとんどできない――。

                                   (この稿、続く)