カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「野蛮人でいいや」~まずひとにやってもらうことを先に考えるのが文明人なら

三寒四温」・・・辞書には「冬季、三日間ぐらい寒い日が続き次の四日間ぐらいが暖かく、これがくりかえされること」とあります。確かに冬の天気はそんなふうです。
 ところが、子どものころは気づかなかったのですが「3+4」は「7」です。つまり「三寒四温」が正確に繰り返されると毎週日曜日から火曜日までは寒くて水曜日から土曜日までは暖かいということになります。もちろんそんなに正確に繰り返すものでもありませんが、それでも今月18日に大雪が降ったら今週の日月も超ド級の寒波で大雪、今週末はまた雪あるいは雨との予報です。うまくできたものです。

 さて、今週の日月曜日(24日・25日)、私の地方は幸い大雪ということにはなりませんでしたが、強風のために畑に積もっていた雪が道路に移動してしまい、一部の農道では大変なことになっていました。圧雪されて氷となったデコボコ道に雪がさらに15センチ以上も積もってしまったのです。降雪があったわけではないので除雪も出ません。

 片道一車線、対向車がらくらく擦れ違える道路に轍(わだち)が三本、そういう風景は雪の少ない地域の人々には想像がつかないでしょう。中央の一本は共有の線なので対向車が来るとどちらかが譲らなくてはなりません。しかし道を譲った先は多くの場合、雪の下が氷の山脈みたいになっていますから、下手な登り方をすると滑り落ちてしまうのです。すれ違いざまに滑ったものなら譲った相手に側面から「ズルッ」「ドン」ということになりかねません。かといって大きく左にそれるとそこはもっと深い雪ですから今度は抜け出せなくなる危険性があるのです。一昨日はまんまとそれにはまってしまい、えらい難渋しました。
 途中、通りがかりの車から運転手が顔を出し、「手伝いましょうか?」と声をかけてくださいましたが、もう見通しのついたころだったので丁寧にお断りしました。自分でできることは自分でしなくてはなりません。たまたま持ち合わせた雪かきでエッサカホッサカ雪を掘って地ならしをしすると、発進は案外すんなりとしたものでした。

 今度の大雪では市町村に抗議や問い合わせの電話が殺到したそうです。
「いつになったら来てくれるのか」「ウチの前はやってくれないのか」などというのはいいのですが、その中に「除雪車がウチの玄関口に壁をつくってそまま行ってしまった、どうしてくれるんだ」という抗議が多数あったというのには少し考えさせられました。除雪ドーザで雪を寄せながら進むと、どうしても排雪板の端で路側に壁ができてしまうのです。それが出口をふさいでいるから何とかしろというのです。
 たいした大きさではないはずです。雪かきで4〜5回も運べば何とかなる量です。それがなぜできないのか。多くの人は黙って――あるいは一気に除雪してくれたことに感謝しながら、その部分の雪かきに精を出しているはずです。しかし一部の人たちは、なぜその程度のことでわざわざ抗議の電話など入れるのでしょう?

 文明人というのは昔の人なら自分でやったことを、次々と他人や機械や社会システムにゆだねようとする人々のことを言います。抗議の主はきっとそんなひとなのでしょうね。
 しかしだったら私は野蛮人でけっこうです。自分でできることは自分でしないと気が済みません。