カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「人間ドックの話」~こんな検査をしてきました

 人間ドックに行ってきました。ほんとうは10月ごろやりたかったのですが、今回は申し込みが遅れたのか、全く空いていず、こんな時期になってしまったのです。

 人間ドックというのはドック(日本語で船渠《せんきょ》というのだそうです)に船を引き上げて船体の総合チェックをするように、自覚症状がなくても定期的に精密検査を受け異常を発見しようというもので、Wikipediaにもわざわざ「『ドック』は船渠を意味する英語dockに由来するため、『人間ドッグ』は誤記である」(そりゃそうだ)と説明しています。

 若い人はあまりやらないので簡単に説明しておくと、ドックは前日の夜9時から飲食を控え、当日は水以外のものを一切口にせず病院に行きます。持ち物は予め郵送されてきた器具で採取した二日分の便と当日の尿の検体、そして問診票や胃カメラの承諾書(怪しい部分あったら切り取ってもいいとか、そういうこと)、他の書類です。

 私の場合は1日ドック(二日に渡るものものも選べる)ですから、行うのは以下の通りです。身長・体重・腹囲・肥満度・体脂肪率、血圧・心拍数、視力・聴力、眼底・眼圧、心電図、努力性肺活量、胸部レントゲン(正面・側面)、上腹部超音波、胃カメラ、血液検査、内科診察、問診、そして先ほどの尿と便の検査です。
 2日ドックだとこれに下腹部超音波や糖負荷検査・骨密度といったものが追加されます。しかし料金が2倍にもなりますし面倒なので私はやったことがありません(婦人科系の検査がかなり充実しているので、女性は2日ドックの方がいいかもしれません)。

 かつては私も「自分の身体的スペックの再確認」といった感じで問題がなく、「よしこれでもっと飲めるぞ」と勇んだものですが、10年前くらいからは気の重い、ちょっとドキドキする年中行事みたいになってきました。
 まず最初に引っかかったのが心電図。最初の説明では「専門医が『この心電図の異常を指摘できるのは私くらいだ』と豪語したほど微細な異常です」だったのが、数年後には「医者なら誰でも分かる異常」になり、最近では「素人でも分かる異常」になってしまいました(これはウソ)。
 続いて出てきたのが「胃壁のただれ」。もちろん飲み過ぎです。アルコールを控え一年間薬を飲んで今回、「胃のただれ」は解消しました。しかし今度は血圧がやや高めで糖尿病も心配した方がいい、そしてメタボとの診断。「完璧です」ということはもうなさそうです。
 ただし最後のメタボには不満があります。

 私は食道から胃の上部にかけてヘルニア(臓器が正常な位置にない状態)があり、おかげで胃カメラがうまく入って行かないのです。今回も麻酔を使っているのにゲーゲー吐き気に苦しみ、「空気を入れて胃を広げ、襞のあいだを見ますからゲップを我慢してください」とか言われても、我慢のしかたが分からない。 
 ゲップも「ゲップ」と途切れるのではなく「ゲ〜〜〜」と入れた空気がそのまま出てきてしまう。担当医も負けじと空気を送るので腹がパンパンに膨らんで、空気は消化器の口ばかりか下からも出てきそうになる・・・とさんざんでした。

 涙と鼻水とよだれでグシャグシャになった顔を拭いて待合室に戻ると、ほどなく最後の問診(なぜ最後になってしまったのだろう)。膨らんだ腹を妊婦のように抱えて保健師さんの前に立ったら、
「さあ、それではまずお腹まわりを計ります」
(ヲイ、今はダメだろ!)
 そう思って説明もしたのですが容赦なく、それで尋常ではないメタボリックシンドロームになってしまったわけです。