「ダ・ビンチ、ラファエロ」~展覧会に行ってきました

 東京に行ったついでに上野で二つの美術展を観てきました。東京都美術館の「レオナルド・ダ・ビンチ展」と国立西洋美術館の「ラファエロ展」です。

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 ルネサンスの三大巨匠のうちの二人の展覧会が、ほぼ隣り合う美術館で行われるのですから効率の良い鑑賞、ということで飛びついたのです。しかしやはり下調べはしておくべきでした。

 「ダ・ビンチ展」はレオナルドの膨大なメモ(「ダ・ビンチ手稿」と言います)が中心の展覧会で、彼の油絵作品は1点(「音楽家の肖像」)のみ、あとは同時代人の作品やレオナルドの模写ばかりです。最初から“手稿”が目的なら満足のできるものだったでしょうが、そうでないと何か出鼻をくじかれた感じです。
 もっともまったく無駄な展覧会というのもないもので、レオナルド・ダ・ビンチがまず音楽家として有名になったこと、数学者の多面体に関する著書にイラストを提供していること、前々から聞いていましたが左利きで、本当に鏡文字ですべてを記録していたことなど、いくつもの新発見や再確認がありました。

 ところで、ひところより私は展覧会では必ず音声ガイダンスを借りるようにしています。特に印象派以前の作品では、知識がないと十分に楽しめない場合が多いからです。今回も500円払って首から機械を下げ、ヘッドフォンを耳につけたのですが聞こえてきたのは唐沢寿明松坂桃李の声。現在テレビドラマの「TAKE FIVE〜俺たちは愛を盗めるか〜」に出演している二人です。
「TAKE FIVE」はダ・ビンチの絵画「ルクレツィアの肖像」に執着する窃盗団の名前で、ドラマの中には「音楽家の肖像」も出てきました。
 一通り鑑賞して表に出たら、そこに「ルクレツィアの肖像」の複製画が置いてあって、一緒に記念撮影ができるようになっていました。とんだ興醒めでした。

 一方の「ラファエロ展」は、これはもう立派な総合展です。最終日直前ということもあってひどく混んでいました。
 ラファエロは古典主義最後の巨匠で、レオナルド・ダ・ビンチより30歳、ミケランジェロより7歳年下のイタリア画家です。

 巨大な工房を持ち37歳という若さで亡くなったにも関わらず大変な量の作品を残しています。「ベルヴェデーレの聖母(牧場の聖母)」や「システィーナの聖母」が有名で、ラファエロや絵の題名は知らなくても、私たちはこの二作品に、必ずどこかで出会っているはずです。
 ダ・ビンチやミケランジェロから学ぶところが多く、非常に尊敬していました。彼の最高傑作である「アテナイの学堂」には、中央に議論をするプラトンアリストテレスが描かれていますが、そのモデルはダ・ビンチとミケランジェロだと言われています。

 ところで、私は長くダ・ビンチの「モナ・リザ」がなぜ最高傑作なのかと不思議に思っていました(最高傑作である理由の一つは本人が「私の最高傑作」だと言い残したからですが)。ところがあるとき「『モナ・リザ』は未完成で眉が消えてしまっている」という話を聞き、さっそく描いてみたのです。

 そうしたら、まあ、この子、本当にキュートな顔立ちでした。

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