学校の流れ

 文化祭、ご苦労様でした。大きな行事がひとつ、無事に終わりました。

 日本の学校は大型テーマパークのように楽しかったりやりがいのあったりする素晴らしいアトラクションを次々と用意しています。

 入学式にはじまって1年生を迎える会、児童・生徒会、遠足、交通安全教室、避難訓練、音楽鑑賞、演劇鑑賞、修学旅行、遠足、お楽しみ給食etc.etc(←このetcを知らないという人が最近出てきていますが)。

 こうした行事は一方でそれぞれ独自の目標を持ちながら、他方で同時に、一貫して追い求めてきたたくさんの価値があります。それは集団性を高めるとか、目的追求力を高めるとかいった、いわば道徳に関わるテーマです。

 私たちはこれらの特別活動をとおして「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」(教育基本法第一条)を期そうとしているのです。

 それが特別活動の本来の目標です。しかしそうは言っても主体である児童生徒にとっては、それらは楽しく「やりがい」のある活動です。長い学校生活を倦むことなく過ごせるのは、そうした「楽しさ」や「やりがい」のおかげでしょう。

 不登校の指導の過程で、私たちはしばしばこの「楽しさ」や「やりがい」を利用してきました。

「さあ修学旅行だ、がんばろう」「音楽鑑賞に一緒に参加しよう」「運動会がんばろう」「文化祭、何とか成功させよう」といった具合です。

 そんなふうに引きずられて登校を続けるうちに、クラスの人間関係が変わったり状況が変化して、そもそも不登校をしようとした原因が消えてしまう場合が少なくなかったからです。しかしそんなふうに引っ張ってきて、運動会や文化祭が終わり、「さて次は?」と見回すとこのあとが案外ないことに驚かされます。

 クリスマスやお正月、バレンタインデーと、世間には「楽しいこと」「面白いこと」が山ほどあるのに、学校内には子どもを引き寄せるイベントがほとんどなくなってしまうのです。

 不登校の子と付き合っているうちに、初めて気がつきました。

 学問の秋、芸術の秋と言われるように、秋から冬にかけては深く沈潜する時期なのです。中学3年生は受験勉強に拍車をかけなくてはなりません。他の学年も、それぞれまとめの時期に入って行かねばなりません。

 特にこれと言って大きな行事がない、そういった時期が10月以降半年近くも続く。

 あまり意識されないことですが、私たちとしては十分に考え、対処していかねばならない重要なポイントです。