18歳で東京に出た時、東京都の男女比は1:1.25と聞いて舞い上がってしまいました。統計上、私は右手で女性一人をしっかり抱き、左手でもう一人の女性の手ぐらい握ることが可能だからです。
しかし私は三つの意味で間違っていました。
まず第一に端数の0.25の大部分はお年寄り、つまりお婆ちゃんだったということ、
第二に男女関係は数学ではないので平均して振り分けられるわけではないということ、つまり一部の男性が2も3も持って行ってしまうと0の男性も出てきてしまうということです。かくて私は左手の0.25も右手の1も手に入れることができませんでした(0.25には可能性があったのかもしれませんが)。
しかしもっと大きな間違いは、男女は互いに0歳から100歳まで無選択に相手を選ぶわけではない、ということです。平均すると男性は4歳年下の女性を選択する傾向がある(逆に言えば女性は4歳年上の男性を選びたがる)ということです。
その上で私より4歳年下の女性たちを見てみると非常にヤバイことになっていることに気づきます。私はポスト団塊(団塊後)世代ですから、人口減少期の人間です。私より年下はさらに人数が少なくなっていきます。つまり同い年の女性は男性とほぼ同数ですが、四つ年下の女性はとても少ない。1.25どころか1を切って0.85しかないのです。そうです。私がモテなかったのは適齢の女性数が圧倒的に少なかったからなのです(←そうではないだろう)。
右の人口ピラミッドは2010年のものですが、これを見るとさまざまなことが分かります(以下、年齢はすべて昨年の年齢)。
例えば男女とも64歳・65歳のところに人口の大きな落ち込みがありますが、これは昭和19年・20年の戦争末期の出産減です。男たちが出征してしまったので、激減したのです。
そのあとの急激な増加は、これが団塊の世代となります。子どものころはベビーブーマーと呼ばれました。
それから53歳くらいまでに急激に下がり、また反転して増加に向かいます。
それが最大になる37歳が第二次ベビーブームの頂点です。ただし44歳に鋭い切れ込みがあり、これは何かというと「丙午(ひのえうま)」の産児制限で、丙午に生まれた女は男を食い殺すという迷信(それも明治以降のことらしいのです)があって出産が控えられました。あとは一貫して少子化が進みます。
ここで先ほどの4歳違いの男女比率というものを考えると「男性は人口減少期に余り気味になり」「女性は人口増加期に余り気味になる」という原則が見えてきますから、59歳から52歳くらいまでの男性、そして36歳以下の男性はすべて相手探しに苦労するということになります(多少のタイムラグがあるのでグラフどおりにはなりません)。女性については37歳から51歳あたりが苦しいだけで、あとは一貫して有利な状況が続きます。
こうしてみるアラフォー現象や女性中心の婚活ブームも間もなく終わることが分かります。例えば33歳の女性の場合4つ年上の男性は1.19倍もいるのです。あせる必要はないのです。
(注:数字に騙されてはいけないというのがこの文の最初の教訓です。4つ年上の男性が1.2倍近くいるのは事実ですが、何%が独身なのか、その独身者がどんな人なのかは1.2倍という数字からはまったく見えてこないからです)