惑星とセーラームーンと鉱物と

 明後日3月13日はハーシェル天王星を発見した日です(1781年)。それと同時にアメリカのクライド・トンボー冥王星を確認したと発表した日でもあります(1930年)。

 理科の時間に勉強しますが、毎晩同じ時刻に天球を観測すると、すべての星は約1度ずつずれながらほぼ同じ位置にいることになります。オリオン座が日々変形するということはありません。

 ところが全天の中で、そのルールに従わない五つの星が見えます。毎晩図に書き込んでみると、フラフラとさまよって見える星です。それが惑い星=惑星です。英語のプラネットも原義は「さまよい人」ということだそうです。

 中国では陰陽五行説(すべての物質は木火土金水の五大元素に還元でき、それらが陰陽二種の性質を持つ)から、五つの惑い星に「水星」「金星」「火星」「木星」「土星」と名づけましたが、ヨーロッパではそれを神の星と考え、「マーキュリー」「ビーナス」「マーズ」「ジュピター」「サターン」と名づけました。そこまではよかったのです。

 ハーシェル土星の外に新惑星を発見すると、ヨーロッパでは過去に倣って早々に「ウラヌス」と名づけます。続いて発見された惑星は「ネプチューン」、次がトンボーの「プルート」です。ところがこれで困るのは水星だの火星だの言っていた東アジアの国々です。陰陽五行はもう使い果たしているのです。そこで考えました。

 ウラヌスは天をつかさどる神様だから「天王星」、ネプチューン(ポセイドン)は海の神だから「海王星」、そしてプルートは冥府(死後の世界)の神だから「冥王星」、そんなふうに訳したのです。

 ちなみに一世を風靡したセーラームーンの仲間たちは、皆このルールで名前がつけられています。そして例えば、セーラーマーズは火野レイという名前の女の子で、ファイヤー・ストームなどといった火をつかった技で攻撃します。火星の申し子ですから。セーラープルート冥王せつなという名でデッド・スクリームという死を連想させるような技を持っていました(以下言い出したらどんどん説明が詳しくなるのでやめます)。

 話を戻しますが、冥王星というのは1916年にアメリカ人のローウェルが予言し、1930年に同じアメリカ人のトンボーが確認した星です。アメリカ独自の発見ということで国民を熱狂させ、ディズニーもそのキャラクターに「プルート」と名前をつけたほどです。ですから2006年に惑星が定義しなおされ、冥王星準惑星に落とされたときにはこれに激しく抵抗しました。

ついでに、

セーラームーンの敵方の登場人物たちですが、これは基本的に鉱物の名から取られています。

 クイン・ベリルという女王がいましたがベリルは緑柱石のことだそうです。ジュタイトは翡翠ネフライトは緑閃石、分かりやすいところではエスメロード、サフィール、これらはエメラルドとサファイヤの古語のだそうです。

 漫画家というのは本当によく勉強しています。