カイト・カフェ

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「私はラーミネーター」~美しい掲示物をつくろう

 学校というところは4〜5年もすると人間がほとんど入れ替わってしまい、雰囲気もまったく違ったものになったりします。

 また、学校には「つくられたブーム」というものがあって、否応なく苦労させられながら、結局は残らないものもたくさんああります。たとえば今から20年近く前、私たちは全教科・全授業時間に渡って細かなカリキュラムを作らされましたが、今それがどこにあるか知っている人はほとんどいません。
 また10年程前には「絶対評価の評価基準」などというものもつくり、これは全教科・全授業時間におけるすべての課題に対して、全員の児童生徒を評価し点数化するという恐ろしいものでしたから、できた評価表は電話帳ほどの厚さになってしまいました。しかしそれも、どこに行ったのか誰も知りません。
 私は「引き継ぎ書類」に情熱を傾ける傾向があり、いったんつくれば10年は使えるなどと豪語しますが、実際には2〜3年ももてばいいところです。そんなものです。

 さて、その中でほぼ確実に10年近く持つだろうと思われる仕事を、私は前任校で発見しました。それは掲示物です。
 学校の掲示物の中には、時期や季節を選ぶ短期的なものと、一度つくればかなりの年数使われ続けるものとの二種類があります。本校のように新しい校舎だとわからないのですが、古い学校に行くといくつか見えてきます。
 紙が黄ばんでマジック・インキの色も落ちているというのに、いつまでもはずされないもの、たとえば校長室の方向を示すものや、特別教室の使い方、トイレの使い方から、「〇〇危険」といったもの、あるいは飾ってある絵画の説明といったものです。こうしたものは一度きちんとつくれば、私が死ぬころにだって残っていかねません。

 そこで私は、掲示物をかたっぱし作り直し、ラミネーターにかけて両面テープで裏から張りまくりました。こうすると傷みも少なく、いつまでもきれいに残るのです。

「本当にラミネーター好きですね」
と言われるので、
「そうです。ラーミネーターと呼んでください」などと答えておきました、そう呼ばれることはありません。

 本校の壁はまだテープを張るには惜しい壁ですが、10年持つような掲示物ならそれはそれでいいように思います。

 さて、どこから手をつけて行きましょうか? マイ・ラミネーター(機械の方)も家から持ってきたことだし。