物言わぬ支援者

 昨日の音楽集会、見事なものでした。1年生から6年生まで、550人もの子どもが一言もしゃべらないで音楽に向かっていく姿は、見事というほかありません。

 それをそばにいた小尾先生に言うと、「そうですよね。それに、ホラ、話している人の方に子どもたちの目が行くでしょ。ちゃんと見てる・・・」

確かにそうで、指揮をする小沢先生や説明をする赤沢先生の方向に目がすうっとむいて行くのです。

 別の話。

 先日の「6年生を送る会」の練習について、一緒に2年生を指導してくださった野田先生がこんなことをおっしゃっていました。

「すごいんですよ。先生が『もっと大きな声で』というと本当に大きな声が出るんです。それで、次の日になってもそのレベルが落ちない・・・」

教師に言われたことがそのままできるというのは容易なことではありません。そして昨日校長先生がおっしゃったように、そういうことは一朝一夕にできるようなことでもないのです。

 言うまでもなくそれはこの学校の優秀な先生たちのたゆまぬ努力によって達成されたものです。しかし単に個々の教師が優秀だと言うだけならこの学校でなくともどこでも同じ事が起きているはずです。

 一昨日、昼の時間にある先生が気づいたのですが、職員室のストーブのコードを床に貼り付けていたガムテープが、新しいものになおされていました。「コードが浮き上がって引っかかりそうで危ないと思ってたのだけど、誰がなおしてくれたんだろ」と、その先生はおっしゃいます。私はコードが浮き上がっていたことさえ気づいていませんでした。

 昨日、給食終了後にジュースの缶を集めに行ったのですが、案外集まってこず、ああそう言えば5時間目にみんなで飲むと言ってたクラスもあったなと思い直して袋をそのままに置いてこちらに戻ってきてしまいました。5時間目が終わったらまた行くつもりだったのです。ところがその時間に行って見ると袋は三つに増え、誰かがきちんと縛ってくれてありました。足元に置き去りにした段ボールも片付けられています。

 この学校にはたくさんの物言わぬ人々がいます。そういう人たちが人の欠けたるを補っています。私たちは無意識のうちに、誰かが自分の穴を補完してくれていることに気づいていますからいちいち不安に思うことなく、安心してことを行えるのです。そして自信を持って行うことはたいていうまく行く。

 それがこの学校のうまく行ってる秘密なのだと、私はそう思っています。