カイト・カフェ

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「6年生を送る会のこと」~すばらしい発表の陰で

 昨日の「6年生を送る会」、見事でした。あれほどレベルの高い発表を見るのは初めてかもしれません。大したものです。

 それまでに先生方が費やした知恵と時間とエネルギー(もちろんそれはあの10分間だけでなく、ああいった発表ができるだけの児童を育てるに費やした知恵や時間やエネルギー)を考えると、本当に頭が下がります。

 ああした立派な発表を見ると、外部の人たちはすぐに「もう一度やれ」みたいなことを平気で言いますが、実際そこまでもって行くのがいかに大変かはほとんど知られていません。プロの劇団が芝居をつくりあげたり、企画会社が鮮やかにイベントを取りしきって見せるように、学校の子どもたちも先生が言えば整然と目的に向かって力を発揮すると、そんなふうに思っているのでしょう。

 しかし私たちが扱っているのはたまたま年齢が同じで、同一の地域に住んでいたというだけの何の統一性もない子どもたちです。最初から良い芝居をつくりたいと思っている劇団やそれが収入である企画会社とは異なります。もともとは無目的な1クラス30人、1学年90人以上の子どもを、ひとつの方向に向けることだけでも容易ではありません。いかにもプロらしい仕事かと思います。

 私が子どものころ、全校の前で何かを発表するというのは一握りの優秀な子どもだけに与えられた特権でした。そうした特権の上に立って、優秀な子はどんどん伸びていきましたが、そうでない子は人前で声を出すこともなく、静かに沈んでいるだけでした。
 今の子どもたちは、何かをやらされるだけしんどいですが、その分、得るもの多く結局は幸せですよね。