カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「マッチ」~もはや見ること自体がなくなったステキな道具

 学校の教育活動というのは基本的な技能や基本的な考え方を学ぶところですから、「結局学校でやったきり、以後まったくしたことがない」といったことがたくさんあります。例えば部屋の中を箒で掃くといったこと、これなどは今後何年たってもやりそうにないことのひとつです。今や電気掃除機の時代です。

 さらに両手を雑巾に乗せてダッシュする「通しがけ」などというものは、お寺にでも就職しない限りまずしないでしょう。自宅でそんなに長い廊下を持つような身分になれば、雑巾がけはお手伝いさんの仕事になるはずです。ちなみに私の家にも短い廊下がありますが、板の目が横なので、通しがけには向きません。

 教科に深入りすると、例えば理科などはかなり使い勝手が悪く、普通の人は大人になったらフラスコや顕微鏡に触れることはまずありません。地図から距離を割り出すとか、技術家庭科のノギスの使い方など、ずいぶん練習しましたが、あれ以来一度もやってみたことはないのです。

 そうした「学校でやったきり、以後まったくしたことがない」ことのひとつに、『マッチをする』というのがあります。それに気がついたのは小学校の教員になってからのことです。子どもたちはまったくマッチをすれません。

 私が子どものころは、絶対触ってはいけないもののひとつで、かつ何人もが密かに隠し持っていた秘密のアイテムでもありました。ですから、マッチをすれない子なんてひとりもいませんでしたが、今や家庭の中にマッチを見ること自体が少なくなってしまいました。

 今日、9月16日は「マッチの日」だそうです。1948年に8年ぶりに自由販売されるようになったことを記念してのことだそうです。
*マッチ箱の横薬の部分を薄く剥いで、金属やガラスの灰皿の上で燃やすと、底にわずかなヤニが残されます。十分冷えたところでそれを人差し指の先につけ、親指とこすり合わせるとあ〜ら不思議、指の間からモクモクと煙が出てくるではありませんか! (私が子どものころ夢中になってやった遊びのひとつです)