ペットボトル・リサイクル、レジ袋廃止、割り箸廃止、いずれも象徴的な環境保護運動ですが、ここ数年、これに異論を挟む書籍が次々と出版され、エコ運動にブレーキをかけようとしています。また、それに対抗するように新たな運動が立ち上がって、無責任ない言い方をすれば、両者せめぎあいと言った感じです。感情論では済まないことなので一生懸命調べるのですが、どうもどこまで行っても泥沼のようで、埒が明きません。
例えば「割り箸」
- 割り箸は、使い捨てられる木材だから環境に悪い。
- 割り箸はやわらかい素材でなければならないので、使っているのは若木の間伐材。割り箸を廃止すると間伐への意欲が失われ森林が荒れるから、使う方が環境に良い。
- 現在、国内の割り箸業者はほとんど滅びてしまい、割り箸の大部分は中国からの輸入品。したがって世界的規模から言えば環境に悪い。
- やわらかな材が必要という条件は変わらないから中国でも間伐材を使っているはず。したがって環境に良い。
- 実際に使っているのは中国東北部の木質の柔らかな木の大木をなぎ倒したもの、したがって森林破壊につながっている。
- しかしそれは、伐採後に植林をしない中国の問題であって割り箸のせいではない。割り箸をやめることによって中国林業従事者の仕事を奪い、森林が放置される状況をつくってもしかたがない。きちんと植林し、間伐材を生み出すことが本来の森林保護。
- しかし、現実に森林が失われているのが現状で・・・
と、延々と議論はつきません。おなじことがペットボトルでもレジ袋でも古紙回収でも起こります。本当に何がなんだか分からないのです。
これが学校教育にどう影響するかというと、環境問題を扱った授業や活動の背景には、何らかの不満や意見を持つ保護者が常にいるということです。昔のように誰もが無条件に賛成してくれるわけではありません。
教材研究にいっそうの力を入れることが必要なようです。