自分自身が高校の受験生だったときから、大学受験のとき、そして教員となって受験生の担任をしているときと、長い間ずっと抱き続けてきたひとつの謎があります。それは、
「なぜあの人たちは、10時間、15時間といった受験勉強に耐え続けることができるのか」という疑問です。その年齢にふさわしく、やりたいことやっておかなければならないことはたくさんあるのに、なぜあの人たちは受験勉強だけに専心できるのだろう。
- どんな犠牲を払ってもどうしても入りたい高校(大学)がある。
これは有力なひとつの仮説です。しかしこの答えの後ろには「なぜ、彼らはそこまでその学校に惚れ込むことができるのだろう」という新たな問いが控えています。さらに「どうしても入りたい学校があるのに、さっぱり勉強し続けられない子どももいる」という反論も用意されます。 - とにかく競争に巻き込まれている。負けたくない。
それもひとつの答えでしょう。しかし闘争心は誰でも持っているものではありませんし、闘争心では説明できない子の方がむしろ多そうです。 - 勉強を始めてみたらハマッてしまった。
好奇心に引きずられ続ける子、成就感・達成感といった快感に引き寄せられて勉強し続ける子がいることは確かです。しかし一般的ではありません。ほんの一握りの優秀な子たちだけができることです。 - 誰かに褒められたい、誰かを喜ばせたい。
そういう子もいます。 - 何も考えていない、とにかく子どものころから「やるべきことをやる」ことに慣れている。
たしかに、そうしたお行儀の良い子もいます。
まだまだありそうですが、正解はそうした答えのどれかだったり複合だったりするのかするのでしょう。
ただそれでもなお消化不良です。
「なぜあの人たちは、10時間、15時間といった受験勉強に耐え続けることができるのか」
それに対する答えが見つかれば、私たちの仕事はもっともっとやり易くなるはずですが・・・。