政府首脳

 授業が終わったあと、子どもが小さな紙を渡して、「お父さんに、先生から教えてもらって来いって言われた」と見せます。覗きこむと「政府首脳」「政府高官」と書いてあります。「これって、どんな人のことか知りたいって・・・」

 ははあんと思いました。時々こういう質問がまいこみます。

 それらの用語には、ほぼ一対一で対応する役職があります。「政府首脳=官房長官」「政府筋=官房副長官」くらいまでは覚えていたのですが、それ以上は忘れてしまったので改めて調べて、手紙で返事を書きました。口で言っても覚えていられるはずもありませんから。

「政府首脳=官房長官」「自民党首脳=幹事長または総務会長」。「外務省首脳」は事務次官(稀に大臣その人)です。

「政府筋」といったらたいていは「内閣官房副長官」。「政府高官」「○○省幹部」「○○省首脳」は各省庁の局長クラス、「○○省筋」となると局長より下の幹部ということになります。

 「権威筋」は、その問題について決定権を持っている人。「消息筋」は「決定権はないが、その問題について知識を有し解析力のある専門家」。ただし国名がついての「消息筋」だとたいていは「在日大使」のことです。

 なぜこんな曖昧な言い方になるかというと、役職をつけての発言だと公式のものとなり責任を問われるのに対し、こうした曖昧さを残すと、責任問題が発生しないからです。

 政府側からすれば、責任を問われない範囲でマスコミをリードしたり新しい政策についての国民の反応を見たりしたいときに使います。マスコミの方は少しでも記事がほしいときにこれに乗るわけです。

 やり方は簡単で「これはオフレコだよ」と言って、カメラやボイス・レコーダー、メモ帳をしまわせればいいのです。

 新聞を読むとき、「政府首脳」や「政府高官」をその都度、官房長官だの副官房長官だのに置き戻して、誰が何をどうしたがっているのか、考えて見るのもおもしろいものです。

 しかし子どもを通じてこんなことを質問してくるお父さん、素敵ですね。