みんなが静かに一生懸命清掃をしている最中、何もしないでおしゃべりをしている子どもを見ると、普通の教師だったら頭にきて指導します。ところでその時、私たちは何に頭にきて、腹を立て怒っているのでしょう。
- 教室がきれいにならないことに腹が立つ。
- 出した指示が通らない。他の子に対する示しがつかないことから腹が立つ。
- 指導したのに、さっぱり成長が見られないことに腹が立つ。
- 成長していくべき児童が、そのチャンスを逃し、いつまでも子どものままでいようとしていることに腹が立つ。
さまざまな感じ方がありそのどれもが正しいと思いますが、私個人は他に一生懸命働いている子がいるのに、他方に遊んでいる子がいる、その不公平に腹が立つのです。
子どもたちにアンケートを取ると、最も嫌われるのはエコヒイキする先生です。少しでもそれらしいことがあると、子どもは絶対に許してくれません。
にもかかわらず、自分で自分をエコヒイキすることに、まったく抵抗がない子がいます(そんな子に限って、他人のエコヒイキにはかえって敏感だったりしますが)。
そんな子を、私は許せないのです。
ですからこういう言い方になります。
「なんで、あいつは黙って一生懸命掃除をしなけりゃいけなくて、お前は遊んでいていいんだ? 何が偉くてお前は遊ぶことを許されてるんだ? なんで自分だけエコヒイキできるンじゃ!? 他人のエコヒイキは許さんのに、自分のエコヒイキは何でそんなに簡単にできるンじゃ?」
子どもに通じない論理かもしれませんが、腹の中にあるのはそういうことです。